血栓・心筋梗塞の予防にも効果的な「本格焼酎・泡盛」の凄さを徹底的に詳細解説!
様々な研究や実験などで、焼酎には、血栓予防の効果があるということが発表されています。そこで今回は、焼酎の血栓予防のメカニズムを他のお酒(ビールなど)と比較しながら、徹底的にそして詳細に解説していきます。芋焼酎や麦焼酎などの本格焼酎や泡盛をあまり飲んだことない人でも、飲んでみたくなるかもしれません。
血栓(けっせん)とは
「血栓」とは、血管の中で、血液が凝固(固まること)してしまうことを言います。これは、血液が凝固してしまうことが問題という訳ではありません。血液中のフィブリノーゲンがフィブリンというタンパク質に変換されることで血液が凝固させるため、傷口からの大量出血を止める働きがあります。血液が凝固する生きていくために必要であり、起こる現象なんです。
しかし、本当の問題は、血管で出来てしまった血液の塊「血栓」を溶かすことが出来なくなってしまうことです。というのも、血栓を溶かしてくれるのは、「血栓溶解酵素」と呼ばれる血栓を分解してくれる酵素の活性度合いが低いために、血管で血栓が解けずに、脳や心臓に行ってしまうことが問題な訳です。
そんな血栓溶解酵素でも、特に働きが大きいのが、「プラスミノーゲンアクチベーター」と呼ばれる成分です。この酵素には、二つの種類があります。「u-PA(ウロキナーゼ)」と「t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)」です。
この二つが、血漿中に含まれる「プラスミノーゲン(Glu-Plg)」に働きかけて、活性型の「プラスミン」を作り出して、それが、血栓の主成分フィブリンを分解できるんです。
本格焼酎・泡盛の凄さがわかる研究
実験内容
現在、倉敷芸術科学大学の名誉教授で、これまでに納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」を発見した須見洋行氏が、「本格焼酎-泡盛の機能性」という論文で発表した実験があります。
約15年間かけて、78名の健常者のボランティアを対象に、60mLのアルコール量を飲んでもらいその結果を分析したものです。
実験項目は、下記の通りです。
・ユーグロブリン溶解時間(短いと活性度合いが大きい)
・血液凝固指標「TEG γ値」(数値が小さいと凝固作用が大きい)
実験結果
まず、下記の表が実験結果です。
飲酒前 0時間 | 焼酎 0時間 | 焼酎 1時間 | 焼酎 4時間 | 日本酒 1時間 | 日本酒 2時間 | 日本酒 4時間 | ビール 1時間 | ビール 2時間 | ビール 3時間 | |
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pryo-Glu-Gly-Arg-pNA 分解活性(nmol pNA/ml) | 31.8±6.1 | 37.4±4.1 | 38.2±3.3 | 35.9±8.4 | 32.4±7.0 | 30.7±9.1 | 34.2±3.2 | 30.1±2.2 | 29.4±6.1 | 30.4±4.4 |
ユーグロブリン溶解時間(min) | 375±55 | 240±28 | 270±55 | 370±60 | 260±66 | 273±21 | 390±35 | 336±70 | 361±22 | 415±55 |
TEGパターン【γ】(min) | 9.2±1.4 | 9.3±3.0 | 8.9±1.6 | 9.0±2.1 | 9.4±2.1 | 8.9±1.8 | 9.3±1.6 | 6.8±2.0 | 6.4±1.1 | 8.5±2.1 |
TEGパターン【χ】(min) | 6.1±0.7 | 6.2±0.2 | 6.2±0.6 | 5.9±0.5 | 5.8±0.7 | 5.6±0.6 | 6.0±1.1 | 5.5±0.8 | 5.6±0.9 | 6.0±1.1 |
TEGパターン(線溶率) | 46±3.8 | 43±3.5 | 42±4.7 | 47±5.0 | 45±3.3 | 47±1.1 | 48±3.1 | 44±1.1 | 45±1.9 | 47±3.7 |
上記の結果を見てみると、焼酎を飲んだ後の「pryo-Glu-Gly-Arg-pNA」が大幅に増加しており、フィブリンの分解が活性化していることがわかります。また、ユーグロブリン溶解時間が短くなっていることからも同様のことが言えます。
その一方で、ビールを飲んだ後の「TEG γ値」が小さくなっていることから、血液の凝固作用が大きくなっていることが言えます。
・ビールを飲むと血液が凝固する作用が強まるため、長時間のフライトなどでエコノミー症候群を予防する上ではフライト中のビールは控えた方が良いかも・・・
焼酎だけじゃない⁈適量の飲酒は体に良い?
実は、血液の線溶系(血栓を分解する)酵素と飲酒には、かつての様々な研究や実験から深い関係があることが知られている。先ほどご紹介した研究「本格焼酎-泡盛の機能性」という論文でも紹介されていますが、1981年にイギリスのマーモット氏が発表した論文 「アルコールと死亡率・U字型死亡率曲線」に興味深い結果が記されています。
ロンドン近郊に住む1,600人の男性公務員の日々のアルコール摂取量と10年間の死亡率とその死因について分析したという内容です。
その結果、1日に9〜34gの飲酒量の被験者が最も死亡率が低く、中でも「虚血系心疾患」での死亡率が低かったという結果でした。これは、心臓での血栓による疾患での死亡が、「飲酒をしないグループ」と「多量に飲酒するグループ」よりも低かったというのです。
この実験以外にも、様々な実験や研究で、適量だいたい飲酒量で言うと30g程度の飲酒が体に良いと言う結果を発表している実験が多いのが実情です。
要するに、適量の飲酒は、体に良く、特に、焼酎の適量な飲酒は、「血栓症」の予防には適していると言うことになります。
焼酎で予防できる病気とは
これまで、焼酎には、血栓を溶かす線溶性について紹介してきました。そんな焼酎の線溶性が、予防してくれるかもしれない病気について、一部紹介してみようと思います。
脳血管性認知症
脳の血管に、栄養や酸素が行き届かないことで、物忘れが激しくなったり認知症が発症し、進行してしまう「脳血管性認知症」。これは、上述の通り、血栓が出来ることでも起こり得ることで、脳梗塞を発症した後にも起こることです。
エコノミークラス症候群
エコノミークラス症候群は、フライトなどで長時間座っていることで、足の付け根やくるぶしに血栓が出来てしまう病気です。これによって、血栓が、肺や脳に行ってしまう可能性もあります。
急な禁酒は危険⁈
先ほどの「本格焼酎-泡盛の機能性」の論文には、アルコール中毒のような大酒飲みの人が、急に禁酒することは避けた方が良いと警鐘を鳴らしています。
これは、血液の凝固作用が異常に働いてしまうためで、その結果、血小板を増やしてしまい、血が固まりやすくなってしまうというのです。特に、約2週間後に、その傾向がはっきりと出始めるということなので、普段から毎日大量にお酒を飲む人は徐々に、飲酒量を減らしていくことをおすすめします。
焼酎を適量に飲みながら、健康になってみてはいかがでしょうか?
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