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(大久保)そういうのはな こぼした時にすぐに気ぃ付かなあかんねん。染みになる前にとっ
てしまわなあかんねん。
けど しゃあないがなこないなってしもうたんやさかい。
重曹入ってるさかいにそれつけて ぽんぽん ぽんぽんとな?
どないしてん?(喜美子)いえ どうもしません。
ぼ~っとしてんとちゃっちゃと やんなはらんかいな。
はい。・荒木さ~ん! 小包で~す。
は~い!ええ ええ。
あっ 今日試着品の荷物届くいうてやったな。
はあ…。
回想 (信作)喜美子の家にお巡りさん来てやんねん。いろいろ とられたもん調べに来て
やんねん。
はあ?置いたったお金 喜美子の仕送りも…。
(常治)アホ! 空っぽやないか!(マツ)ほな お金…。
(信作)直ちゃんが洗濯してためたお駄賃も 何もかもや。
誰が そんな… 泥棒やんけ!?
(信作)ほんでな常治さんが大阪向かった 今朝早く。喜美子んとこ行くから言うとけ言われ
たんやて。
(直子)お姉ちゃんのお給料の前借りしに行った!
ご苦労はんでおます。確かに。へえ。
♪~
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
♪~
回想 (直子)お姉ちゃんのお給料の前借りしに行った!
(せきばらい)
回想 (直子)お父ちゃん言うてた「お金 用意しとけぇ」。
今日 魚屋はん 来えへんなどないしたんやろ。
何や?
あっ どうぞ どうぞ。 あんたのお父さん?
そうです。そうですや あらへんがな。
久しぶりちゃうの?はあ…。
玄関のとこで のぞいてはってな。ほら! お土産や。
カブラ…。
(大久保)わざわざ持ってきてくれはってんがな。お仕事で来はったのにな。
仕事…?
(大久保)娘の顔 ちょっと見に来はってんて。今 お茶。
うち いれます。ええから ええから。せっかくやん何やかや 話しすることあんねやろ?あ~
てれくさいんかいな。
やっぱり うちが!えっ?うちが いれます!
大久保さん お座り下さい!さあ さあ さあ… お座り下さい!
はいはい はいはい。はい ここに。 はい。 はい。
大久保さんです!あっ 大久保です。 さっき挨拶したがな。
父です!分かってます。
うちの ここでのいろいろ大久保さんに教わってるの。
へえ 任されてまんねん。もう いろいろ! ぜ~んぶ!
せやな 全部任されてます。
荒木社長は東京出張やしほやから… う~ん… ほやから…大久保さん。 父が! 父が
話あるそうです。
あ~ その… 喜美子の…。
(せきばらい)喜美子のですね…。
頑張ってはりまっせ。
最初は どないなるか思いましたけどなまあまあ やってはります。
若いさかい 気ぃ利かんとこもおますし教えてないことも まだあります。
言うたら まだまだ半人前でっけどな…ええお嬢ちゃんでんなぁ。
お給金僅かやのに ひと言も文句言わんと。
「辞めさせてくれ」ちゅうなことも言いださんと よう働いて…。
夏には奈良におる娘のとこへ引っ越すさかい。
それまでに全てのこと 引き継ぎ終わらせんと。
ついでに言うとく。 ストッキングな…。ストッキング?
さっき 追加分あんたの部屋持っていった。
こういう仕事はなお給金の昇給ちゅうなことあまり期待でけしまへんねん。ある程度で頭打ち
だ。せやさかい 合間見て内職しまんねんがな。
わても ようやりました。
弟の学費半分 内職で稼いだぐらいだっせ。
あれ 内職やったんですか?
すと… すと? 何じゃ?伸びるんよ。 はくんよ 女の人が。
男の人も?男は はけへんやろ。
ももひきのうっすい うっすい もう薄~いやつ。
手先が器用やさかい繕いもん やらしてみたんだす。
うまいこと やりまんねん。
なんぼやったか覚えてるか?あ~…。
え~…。そんな ちゃんと覚えとかなあけへんで?
100はあって… そのあと追加で…100と28です。
そや! ようやった。
昨日な お代金もろてきたんや。今 渡しとこか。ほんまはな 封筒に入れてご苦労はんって
言うて渡したかったんやけどな。やっぱり 裸で渡すの失礼か…。
いやいや!かまいません!あ…。
ほな 12円や。 1足な。
1足!12円!?
(大久保)うん。
1,500円の… 1 2 3…。
♪~
ほな そこまでお送りしてすぐ戻ってくんのやで?
お父さん 何もお構いもしまへんでえらいすんまへん。 ほな ごめんやす。
また よろしゅうお願いします。へえ。失礼します。
♪~
すごいやん! 1足!12円!
100と28 掛けたら!お前… お前 パッと計算したやろ?
お父ちゃんかて! 顔に書いたったで!
びっくりしたもん! びっくりや!お給金より高いもんな。
これ! これ…。ああ…。
こっち…。
これ 全部持ってってええよ。ああ 全部は あかん。
半分でええ 半分でええ…。ええよ ええよ。
ほんまか?うん。もうちょっとだけ…。
うん。 よかったなあ。よかったわ。
大久保さんのおかげや あんな内職…お給金少ないから考えてくれてたんや。
ええ人や。ええ人や。 泣きそうになってもうた。
ほな うち ここで戻るわ。
カブラ漬ける言うてたしやらなあかんこと いっぱいあんねん。
ほんまか…。うん 道分かるやんな?
お前 見ぇへん間に背ぇ伸びたな。まだ ひとつきちょっとやで?
ごはん ちゃんと食べてるか?食べてる。
ようして もろうてるから心配いらん。
こっちより そっちやで泥棒入られたり? しっかりさいさ。
お酒も控えてな? 川に落ちたりしんと酔うて帰る時足元よう気ぃ付けるんやで?分かってる
。
分かってるわ もう…。 ほな 行くわ。
うん ほな。おう。 またな。
お父ちゃん。
何や!?
うち… 荒木荘で頑張ることにした。おう。
大久保さんの後を引き継いで荒木荘の何から何まで目ぇつむってもできるぐらいしっかりや
れるようになるまで荒木荘は辞めへん。 自分で そう決めた。
うん。
1年か 2年か…。
おう。
信楽には帰らん。
盆も正月も帰らん。
仕送りは ちゃんとするさけほんで お金もためたい。
そやし… 3年は帰らん。
さ… 3年!?先に言うとかへんかったら 寂しいやろ?
アホか! んなもんな 一回外出てったらもう お前 おらんのと一緒や もう。
お前なんか 盆も正月ももう帰ってこんでええねん もう。
うん。帰ってくんな!
うん。
しっかりやれよ。うん。
しっかり稼げよ。うん。
おう。 ほな…。ほな。おう。
♪~
ただいま戻りました!
うち やります。
ほな きれいに洗て。はい。
おいしそうなカブラやな。畑で取れた言うてはったわ。
おうちに畑あんの?はい!ふ~ん そっか…。
うち… 「3年は帰らん」言うてきました。
一人前になるまで帰りません。
そんな洗い方あかんがな。えっ?
一回 おけにためて洗いなはれ。
水 なんぼ使たら気ぃ済むねん。すんません。
…で また洗い直したら何もなれへんがな もうアホちゃうか。
すんません。
ほんなことやったら 3年どころか100年たっても帰られまへんで。
帰さへんで。 てや!
「とやあ~!」ですぅ。何や それ。 とやあ?
「とやあ~!」です。
こやな? とや!アハハハッ そうです。
ちゃっちゃと やんなはらんかいな。はい。
♪~
これな かたいとこにこんなして包丁目 入れまんねん。
はい。はい やってみぃ。はい。
もっと細こう 細こう 細こう…。はい すんません。
難儀やなあ もう…。