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【政治】

国会質問「流出」なぜ問題視? 守秘義務違反疑い 議員活動萎縮、恐れ

 国民民主党の森裕子参院議員の国会質問を巡り、野党は政府から事前に内容が外部に流出した疑いがあるとして、追及を強めています。どんな問題があるのでしょうか。 (上野実輝彦)

 Q 経緯を教えて。

 A 森氏は十一日、参院予算委員会で十五日に行う質問事項を内閣府に通告しました。ところが予算委前日の十四日、インターネット番組に出演した大学教授が、まだ行われていない質問内容を取り上げて森氏を批判しました。

 Q 教授はなぜ事前に質問内容を知っていたの。

 A 国会では、政府が答弁を準備する時間を確保するため、質問を二日前の正午までに通告する慣習があります。政府によると、内閣府は今回、予算委に参考人として出席を求められた民間有識者の国家戦略特区ワーキンググループ座長代理に質問内容を送付。座長代理は、知人の大学教授に関する質問が含まれていたため、電話やメールで内容を伝えたとしています。

 Q 野党は何を問題視しているの。

 A 大学教授がネット番組で「(質問内容は)役所の方から来た」などと発言していることから、野党は政府側が直接、大学教授に質問を漏らした守秘義務違反の疑いがあると指摘しています。二十三日の衆院内閣委員会では質問が委員会前に公表されることで、議員活動の萎縮につながる懸念も訴えました。

 Q 政府の対応は。

 A 北村誠吾地方創生担当相は内閣委で「私人が質問内容を第三者に伝えることについて定めがない」と問題視しない考えを示し、直接の漏洩(ろうえい)が判明した場合は「責任を取る」と話しました。座長代理側は、質問を大学教授に伝えたことは問題ないとした上で、森氏の質問通告が遅く、公務員の負担増につながる方が問題だと指摘しています。

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