皇室ゆかりの京都と東京のつながりに焦点を当てた企画展「双京 京の夢、江戸の夢」が、京都市左京区の府立京都学・歴彩館で催されている。江戸時代以降の文書や絵図、写真など50点を基に、二都の街の移り変わりや役割の相違を明らかにする。
冒頭では、1626年に徳川将軍家が二条城(中京区)で後水尾天皇を迎えた行幸を記した「寛永行幸記」を紹介。近世の洛中洛外図に数多く描かれた一幕は、「徳川の天下」を世に知らしめる政治ショーでもあった。徳川家がこれらで政権基盤を固めると、政治や経済の中心は本拠・江戸へ移っていく。
江戸期の二都の名所図会は、対比を通じてにぎわいを増した江戸が1700年代後半には文化面でも興隆したさまを示す。幕末維新時に京は一時、政治の中心地となったが、重要文化財「京都府行政文書」をひもとくと、明治政府が事実上の東京遷都を着々と進めたことがうかがえる。
明治以降では、京都で行われた大正や昭和の即位礼を写真で紹介。首都機能を完全に失いつつ、儀礼都市化した近代京都の立ち位置が見えてくる。11月10日まで。同館075(723)4831。