『The Outer Worlds』海外レビュー
『The Outer Worlds』の海外レビューです。
- ジャンル:RPG
- 機種:PS4/Xbox One/PC/Switch
- 開発:Obsidian Entertainment
- 販売:Private Division
- 概要:『Fallout: New Vegas』で有名なObsidianによる新規RPG
『The Outer Worlds』は、Obsidianによる『Fallout: New Vegas』の驚異的な精神的後継作で、馴染み深いデザイン要素やいつものおどけた態度に、想像性溢れる新ユニバース、深みを増したロールプレイングを混ぜ合わせている。類似ゲームと比べるとメイン・クエストは短めではあるものの、本作はあらゆるシステムやナラティブの道筋を確かめるために何周もしたくなる類のRPG体験なのである。
目が眩むほど奥が深く、徹底的に洗練され、恐ろしくリプレー性が高く、驚くほど中毒性がある『The Outer Worlds』は今世代で最も洗練され、良く書かれたRPGの一つである。
コンセプト: 宇宙航海アクションと選択主導の進行という『Fallout』と『Mass Effect』の中間にあるユニークなRPG
グラフィック: ビジュアルは最先端というわけではないが、カラフルなグラフィックはHalcyonの奇妙な世界を見事に描写
サウンド: 仲間たちの声優は素晴らしく、音楽は驚異や緊迫感を適切に表現
プレー性: 面倒なインベントリー管理だけが唯一の不満。プレー・スタイルにかかわらず操作性は優れている
エンターテイメント性: 様々な問題を解決するのは楽しく、馬鹿げたユーモアの連続がダークな題材を明るくしてくれる
リプレー性: 高め
大局的には物足りないものの、『The Outer Worlds』には細かな明るい場面が数多い。間抜けな警備員との楽しいやり取り。甘たるい企業ジングル。容赦ないスニーク・アタック。絶対上手く行かないはずが上手く行く解決策。Obsidianの面々は反応が良く馬鹿げた舞台設定の中で独創的な実験を推奨することに長けており、Halcyonに訪れるたびに驚きを用意してくれている。
良い点:
・最高の操作性
・素晴らしいセリフ
・豊かなキャラクターとコンパニオン
・何でもできて何にでもなれる
・楽しい戦闘
悪い点:
・不安定なフレームレートとテクスチャ
・限定的なアーマー・カスタマイズ
『The Outer Worlds』は唯一無二の1人称シューターだ。ゲーム全体がプレーヤーのおもちゃになるオープンワールドのお陰で、私は完全にのめり込んで出たくなくなってしまった。Obsidianは15時間から40時間でクリア可能と発言しているが、やることが多すぎてそんな短時間でクリアできるとは到底思えないのだ。キャラクターの成長、素晴らしいコンパニオン・システム、独自の精神など、『The Outer Worlds』は私の期待以上のゲームに仕上がっている。素晴らしい脚本から美しい環境まで、新世界はどれも無意味さを感じない程度の広大さを誇る。ゲームプレーと戦闘も素晴らしく、唯一の不満は稀なフレームレートの低下とテクスチャのローディング問題くらい。『The Outer Worlds』はプレーヤーの自由にさせるというRPGに付き物の公約を果たしており、異なるスタイルや戦術で何度も何度もプレーするのが待ちきれない。
良い点:
・終わりの見えないリプレー性
・先に進むほど面白くなっていく
・複数の攻略法
・印象的なキャラクターたち
・色彩豊かなビジュアル
・巧みな環境ストーリーテリング
・全ての会話に用意された潤沢な選択肢
・尽力すれば最高に楽しめる戦闘
・感情移入できる素晴らしいコンパニオン
悪い点:
・少々扱い辛いインベントリー
・個人向け倉庫があれば嬉しかった作業台
『The Outer Worlds』は、最大限楽しむための時間と努力をプレーヤーに要求する。どうプレーしても楽しめるゲームだが、自ら進んで没入するプレーヤーにとっては、全てに重大な結果が待ち受ける一流のRPGとなっている。『The Outer Worlds』は物語を語るのではなく、プレーヤーに面白いキャラクターで満載の世界を与え、自らの物語を語るようプレーヤーに求めるのである。
良い点:
・隅々まで素晴らしい脚本
・多層的なキャラクターたち
・面白さが途切れない多層的なクエスト・デザイン
・目と耳の保養になるオーディオビジュアルが補強する強力な世界観構築
・パンチの利いた満足感のある戦闘
悪い点:
・戦闘が普通の難易度だと簡単すぎで、様々なシステムが無駄になっている
・分かりにくいインベントリー・メニュー
『The Outer Worlds』をクリアした時は、すぐに舞い戻って隅々まで探索したい気持ちにさせられた。決して短いゲームではないが、素晴らしいキャラクターたちとの出会い、探索し甲斐のある場所、有意義で多層的なクエストがこれでもかと詰め込まれており、胸焼けする余地があるように感じられないのである。時計を巻き戻し、全てを違うやり方でやりたくなるのだ。『The Outer Worlds』の面白さは安定しており、伝統的なRPGセンスを現代風のシャープな体験に昇華するやり方を見事に示している。
良い点:
・奥の深いスキル制RPGシステム
・カスタマイズ可能な武器/防具システム
・笑えるセリフとジョーク
悪い点:
・コンパニオンと恋愛ができない
・4K未対応なPS4 Pro
『Fallout』が好きな人、『Mass Effect』が好きな人なら誰もが『The Outer Worlds』を確実に楽しめるはずだ。私はアイテムを探して隅々まで探索し、取れるものは全て取り、Halcyon周辺の異世界に没入するのを存分に楽しませてもらった。
良い点:
・面白く、洗練され、美しい
・火力と個性を増すコンパニオン・システム
悪い点:
・『Fallout』に酷似
・会話よりも銃撃戦を軸にしてほしかったと思う人もいるかも
会話に意味があり、コメディ級の冷笑主義がスタンダードだった『Fallout』黄金時代を彷彿させる、奥が深く、笑えて、入り組んだデザインのRPG。
些細な問題点はあるものの、Obsidianは最近の『Fallout』よりも『Fallout』らしいゲームを作り上げている。他のオープンワールド・アドベンチャーと比べると、『The Outer Worlds』はサイズ面でより限定的ではあるものの、チャーミングさと贅肉を削ぎ落した簡潔さで補っている。
良い点:
・ゴージャス
・所々素晴らしい脚本
・有意義に感じられるプレーヤーの選択
・大量のサイド・クエスト
悪い点:
・目新しいアイデアが少ない
・フレームレートの低下とテクスチャのポップインが目立つ
『Fallout: New Vegas』の精神的後継作である『The Outer Worlds』は、元ネタとなるフランチャイズよりも洗練され、良く書かれている。
『The Outer Worlds』でObsidianは、BethesdaとBioWareの中間に素晴らしい独自の道を見出している。影響力のあるこの2つのデベロッパーによる新作RPGが数年先だということを考えると、このゲームは最高のタイミングでリリースされたと言えるだろう。単一の広大なオープンワールドほど探索し甲斐があるわけではないが、それでも小さなオープンワールドの数々の中には柔軟性のあるクエストやイザコザが存分に詰め込まれている。そして戦闘、キャラクター、コンパニオン・システムには斬新なヒネリが加えられており、単なるコピーというよりも独自性のあるオマージュに感じられる。
プレゼンテーション 8.0: 空は美しく、SF的風景は目を見張るが、メニューは読みにくくビジュアルは往々にしてのっぺりして古臭く見える
脚本 9.0: 殆どのゲームよりも思慮深く、繊細。善悪が明確ではない
ゲームプレー 8.0: 『Fallout』の定番フォーミュラに細かな調整を施しており、革命的なところは何もないが、最後まで飽きさせない
リプレー性 8.0: 有意義な選択が充実したロールプレイングの機会を提供してくれ、何周もしたくなる
昔の『Fallout』フォーミュラを待ち望んでいたなら、『The Outer Worlds』がもってこいだ。
良い点:
・独創的で面白いプロット
・笑える脚本
・素晴らしいkタラクター描写
・優れた成長要素
悪い点:
・ぼやけたテクスチャや皺だらけの肌
・空っぽな環境
・スキルで阻まれるゲームプレー上の必須要素
『The Outer Worlds』は、ファンがこの10年にわたってObsidian Entertainmentに期待してきたゲームだ。物語がメインのアトラクションであり、面白くて笑える惑星間舞台設定でObsidianらしいウィットに富んだ脚本が前面に出ている。そういうRPGを望むなら、『The Outer Worlds』に失望することはないだろう。
『Fallout』『Mass Effect』『Borderlands』シリーズのエッセンスをミキサーに入れると、『The Outer Worlds』が出来上がる。荒廃した惑星で敵と戦わせてくれるオープンワールド・アドベンチャーだ。リクルートすべき人々、維持すべき人間関係、困難な決断があり、それら全てが明るいトーンで包み込まれているが、強力な物語も犠牲にはなっていない。セリフが本当に良いのだ。ただ、『Fallout』の荒野よりも死んでいるように感じられる環境を走り回ることに多くの時間が費やされるのが本当に残念である。
良い点:
・作り込まれた舞台設定
・充実したRPGメカニック
・唯一無二の自由意志
悪い点:
・ムラのあるありふれた戦闘
『The Outer Worlds』はObsidianの最高傑作であり、輝かしい未来が約束されているように見える新たなフランチャイズの強固な土台となっている。
良い点:
・どの惑星もユニークな、探索し甲斐のある面白い世界
・好きなようにプレーすれば展開が劇的に変化する多彩な選択
・物語を通してやり取りをする、独特な癖を持つ最高のコンパニオンたち
悪い点:
・敵と武器のバラエティが少ない
・反応が悪い退屈な敵AI
・ロードを挟むこともあり、行ったり来たりに時間がかかる
よりコンパクトな『Fallout』的体験として、『The Outer Worlds』は成功している。既にHalcyonを再び訪れる日を待ちわびているほどだ。
『The Outer Worlds』は期待通りのゲームとはいかないかもしれない。規模が小さめのゲームで、リプレー性に重きを置き、ロールプレイしてこそ真価を発揮するのだ。とはいえ濃密なゲームであり、小規模な箱庭風エリアに伝承がたっぷり詰め込まれているのである。隅々まで突きまくって最大限楽しむかどうかはプレーヤー次第である。
選択とロールプレイに重きを置いたままの『Fallout』が新作を出したもう一つの現実があるすうなら、『The Outer Worlds』のようなゲームだろう。Obsidian Entertainmentはそのもう一つの現実への小さな入口を提供しており、それが奇妙でワイルドな状況に取り組むための適切なスキルの取得を重んじるゲームなのだ。『The Outer Worlds』は脚本が素晴らしいが、戦闘は力を発揮できていない。同様に、プレーヤーが訪ねる惑星にもクエストや面白い場所がもう少し欲しかった。それでも『The Outer Worlds』は楽しい冒険であり、将来より大きな存在になってくれることを望んでいる。
良い点:
・最高の舞台設定
・素晴らしい脚本と物語
・クエストに影響を与えるほぼ完全な自由
・良く出来た戦闘
悪い点:
・狭い空間が没入感と異星世界探索のスリルを削ぐ
・水準以下のグラフィックとパフォーマンス
・戦闘の内外で平凡なAI
『The Outer Worlds』はObsidianに期待した通りのゲームだ。最高の舞台設定、素晴らしい脚本と印象的で複雑なキャラクターたちをフィーチャーした1人称アクションRPGである。しかし、瞬間瞬間のゲームプレーはエキサイティングとは言えず、このジャンルのベストには程遠い。それでも、どんなゲームか分かって望めば大いに気に入るだろうし、予算が増えれば続編は大幅に改善されるはずだ。
良い点:
・笑えるセリフ
・面白いキャラクターたち
悪い点:
・あまり影響のないプレーヤーの選択
・ヤワで物足りない物語
・他のロールプレイング・オプションよりも優先される戦闘
良くも悪くも、『The Outer Worlds』は完璧な中堅オープンワールドRPGだ。大きなリスクを冒すことはないが、大失敗をすることもない。脚本は最高にもかかわらず、企業ディストピアについてのメッセージがなく、設定を正当化するには無難すぎるのだ。このジャンルを知り尽くしたObsidianのお陰で『The Outer Worlds』は十分なRPGに仕上がっているものの、これといって興味深いものではない。