ここ数日、はてなブックマークではオリエンタルラジオ中田敦彦さんの「お金の授業」という動画が話題になっていましたね。
今回はこの動画への反論と、iDeCoのススメについてお話しします。
【お金の授業】学校では教えてくれない「資産運用の鉄則」〜素人が必ずハマる罠編〜前編
- 「お金の授業」への反論
- iDeCo(確定拠出型年金)とは
- iDeCoのお金は自由に取り出せない
- しかし、iDeCoには超メリットがある
- メリットとデメリットを知ったうえでiDeCoを始めよう
- (追記)
「お金の授業」への反論
中田さんの主張には全面的に賛成です。
違うのは、投資先の比率。
中田さんの主張では、先進国外国株インデックスと日本株インデックスに「6:4」の比率で投資するとしていましたが、僕はあまり日本を信用していないので日本株の比率はもう少し下げます。
下げた分は外国株、主に新興国株インデックスへの投資に回してリスクを取ります。
このあたりのバランスは、「どのくらいリスクを許容するか」などその他の個人的な考え方によって決めるべきです。
あと、中田さんの主張でひとつだけ納得できない点があります。
それは「一気に買い、お金が必要な時に売る」と主張しているのに「iDeCo」を勧めていることです。
この部分を詳しく説明したいと思います。
iDeCo(確定拠出型年金)とは
iDeCoとは、毎月自分が決めた額の掛け金をiDeCo用の口座に入金して資産運用する年金制度です。
毎月決まった額(確定)の掛け金を入れる(拠出)するので、確定拠出型年金ともいいます。
公的ではなく私的年金なので、「個人型」の場合は基本的に「やる」か「やらない」かは任意ですが、会社で退職金制度の代わりなどで運用される「企業型」もあります。
資産の運用方法は、定期預金や債券・投資信託などから選ぶことができます。
iDeCoのお金は自由に取り出せない
iDeCoに入金した掛け金は自由に取り出すことができません。
私的とはいえ年金なので、基本的には60歳になるまで掛け金を引き出せないということです。
この部分は、中田さんが主張する「お金が必要な時に売る」という内容と反しています。
「お金が必要な時に売る」のであれば、「つみたてNISA」を優先すべきです。
「つみたてNISA」については、こちらの記事で書いているので読んでみてください。
しかし、iDeCoには超メリットがある
しかし、iDeCoにはそのデメリットを超えるメリットがあります。
それは毎月の掛け金のすべてを所得控除に使えることです。
例えば、サラリーマンの場合。
満額である23,000円を毎月掛け金として積み立てた場合、一年間では276,000円になります。*1
課税される所得金額が195~330万円の人は所得税が10%なので、単純計算すると掛け金276,000円の10%である27,600円が年末調整で戻ってきます。
つまり毎月23,000円、一年間で276,000円を貯金しながら、その10%である27,600円を毎年もらえるのと同じです。
これってすごくないですか?
メリットとデメリットを知ったうえでiDeCoを始めよう
iDeCoを「やる」か「やらない」かでいったら、絶対やったほうがいいです。
でも若い人たちにとっては、「今から始めても引き出せるのは30年以上も後」になってしまうため、満額から始めるのはあまりお勧めしません。
若い人がまず投資すべき資産は何か。それは「自分自身」です。
まずは自分自身へ投資をし、余った資産でiDeCoを始めてください。
掛け金は月5,000円から設定できるので、少額から始めて余裕ができたら増額するのが良いと思います。
ただし、掛け金が変更できるのは年一回なのでご注意ください。
iDeCoは全額所得控除という大きなメリットを持っていますが、60歳まで掛け金を下ろせないというデメリットもあります。
「つみたてNISA」との組み合わせや、自分の年齢・収入に合わせた掛け金設定で上手に利用しましょう。
(追記)
こちらの動画の後編では、「私的年金は60歳以上でないと引き出せない」との発言がありますね。
とってもためになるのでぜひ観ましょう。
【年金問題】老後2000万円不足の真意とは?〜前編〜年金の本質を理解すれば老後の不安が解消!
【年金問題】人生100年時代に一生お金に困らない方法とは?〜後編〜
*1:同じサラリーマンでも条件によって異なります。詳しくは公式サイトで確認してください。