クラブ、後輩、サポーター全てを思う気持ちが、とっさに拡声器を握らせた。パロマ瑞穂スタジアムのゴール裏が騒然となった19日の仙台戦後。やまない怒号の中、この日出場機会がなかったチーム最年長34歳のDF千葉が前に立った。
普段冗舌な男は、時おり言葉につまりながら「一丸」を訴えた。取材エリアでは「結果が全ての世界なので、批判は当然。試合に出た選手は僕よりもっと悔しいはず。うまく言えなかったけど、結果で証明するしかない」。今季は出場1試合のみ。J1で349試合出場のベテランが主力とは言えない立場で矢面に立つ覚悟は計り知れない。
「結果が全て」という言葉は、チームに向けてだけでなく自分自身へのものでもあったはずだ。泣いても、笑ってもシーズンは残り5試合。背番号5の熱き思いを、J1残留へとつなげたい。