アストロズにとっては痛すぎる1敗だ。先発のコールは今季20 勝5敗で防御率はリーグトップ。現時点で世界最高といえる右腕が5点も失って、5月以来の黒星を喫した。期待を裏切る炎上の理由はナショナルズの先発シャーザーの粘りと、4回に4番ソトに浴びた同点ソロにあったと思う。
シャーザーは4回を終えて96 球を要するなどピンチの連続。なのに初回の2失点で踏ん張っていた。一方のコールからすれば、待っている時間が長いのに点が入らない。イライラが募る状態だった同点の5回、ポストシーズンでわずか1安打の先頭・スズキに四球を許すと一気に崩れた。
考えられない配球もあった。5回に1点を勝ち越され、なおも2死一、三塁からソトに許した左越え2点適時二塁打が致命傷となったが、投げた6球はすべて変化球。1球でも真っすぐを投げていれば結果は違ったはずだが、直前の嫌な残像があったのだろう。4回の同点ソロは逆方向への特大弾。最大の武器である150キロ後半の真っすぐを完璧に打たれたことで歯車が狂った。
ただ、今季両リーグ最多の107勝をマークしたアストロズだけに、シリーズ全体を見ればこれで五分か。おもしろくなってきた第2戦のナショナルズ先発は、今季最多勝のストラスバーグ。あえて2戦目に投入した相手エースを攻略できるかがカギとなる。(本紙評論家、NHK―BSで解説)