11月に開催される野球の国際大会「プレミア12」に出場する侍ジャパン・井端弘和内野守備走塁コーチ(44)が、現場からチームの近況を報告する「井端弘和 侍レポート」。侍ジャパンの今を熱い言葉で読者にお伝えする。
【22日】宮崎合宿初日はまだ全メンバーがそろっていないせいもあり、一体感が生まれるというより手探りでのスタートとなった。それでも投内連係では大野雄が誰よりも声を出し、必死に雰囲気作りをしてくれたことはうれしい。と同時に選手の中の意識の高さもうかがえたのが個別練習だ。この日は外崎と源田が三塁、山田哲が一塁と、それぞれシーズンの本職とは違うポジションで志願のノックを申し出た。
特にファーストミットの使い方に不慣れな山田哲に関しては、ノックの最中にシングルハンドで取ろうとアドバイスした。遊撃や二塁のグラブと違い、ファーストミットは縦にも長く深い。両手で捕球にいくと意外と足が動かないばかりか、捕球から送球への動きもスムーズに流れない。山田哲の本職は二塁でハンドリングの柔らかさもあり、シングルハンドの捕球の方が素早い動きができると判断したからだ。
山田哲にせよ、源田にせよ、複数ポジションに挑むのはプレミア12というより、来年の東京五輪を念頭に置いてのものだろう。プレミア12はベンチ入り28人だが、東京五輪は4人減の24人になる見通し。こうなると複数ポジションを守れなければ、生き残れない可能性すら出てくる。坂本勇がいるとはいえ、源田には「最初から控えなんて思うなよ!」とハッパをかけたが、選手主導の危機管理は歓迎の思いだ。(侍ジャパン内野守備走塁コーチ)