11月に開催される野球の国際大会、「プレミア12」に出場する侍ジャパンの合宿が22日、宮崎市内で始まった。中日から唯一の選出となった大野雄大投手(31)は「ONE TEAM」の主役になるべく初日から精力的に声を出すなど、投手陣をもり立てた。26日のオリックスとの練習試合(サンマリン)での登板も決まり、気合十分だ。
緊張と胸の高鳴り。ドラゴンズでエースの看板を背負い、今季は最優秀防御率のタイトルを獲得した左腕にとっても、2016年3月以来の代表ユニホームは特別だった。
「緊張しました。トップ選手が集まっているのでみんなうまいし、緊張感があって良いですね」
初日の練習を終え、日の丸の重みをかみしめた。この日はキャッチボールや投内連係など軽めのメニュー。投手陣は日本シリーズに出場しているメンバーを除き当初8人の予定だったが、楽天の松井と森原が辞退したため6人でのスタートとなった。そんなアクシデントをかき消すかのように、投内連係では「オッケー」「ナイスボール」などひときわ大きな声を張り上げた。
「そこは僕のセールスポイント。声を出すから何かなるわけじゃないかもしれないけど、普段からやっていることなので普通にできました。年齢的にも上から数えた方が早いし、しっかりやれるようにやるだけです」。侍ジャパンが結束し、「ONE TEAM」になるためにも大野雄のキャラクターは欠かせない。
実戦登板日も決まった。26日のオリックスとの練習試合に2番手で2イニングを投げる予定。今大会で使用されるボールはNPB公式球よりやや小さめだという。「2週間くらい使っていたので何の違和感もない」。名古屋でも投球練習やシート打撃を重ね、調整は順調。代替メンバーも決まっておらず、起用法は流動的だが「どこでもやる。そのつもりなので。言われたところで投げるのが仕事。名前をコールされたら喜びを感じてしっかり腕を振りたい」と力強く語った。
「大変な1カ月が始まるという気持ちです」。来年の東京五輪金メダルを見越した戦いが始まる。重圧を受け止め、はね返した先に栄光が待っている。