まずはじめに日本代表の選手、スタッフ、そして関係してこられたすべての方に感謝とねぎらいの言葉をかけたい。
南アフリカは強かった。自分たちの一番強いところで挑み、そして制した。スクラムとモール。FWを前進させるためにキックを多用し、大きなFWを全面に出した戦い方を徹底してきた。
誤算はラインアウト。1次リーグでは完璧だったが、乱れた。あとはモールのディフェンス。あれだけ押されると後半足が止まってしまう。連続攻撃を仕掛けるために欠かせないフィットネスが、モールにより封じられた。反則も多かった。ブレークダウンのプレッシャーも半端なかった。
勝負は完敗であったが、最後の最後まで最高の応援を背に持っているものを出し切ったと思う。世界4強の壁はやはり高い。半端なく高かった。その高さが見えた大会でもあった。
日本のラグビーの歴史、もっと言えば世界の歴史を変えたのも確か。過去にもサモアやアルゼンチンなどがベスト8に入り込み、旋風を起こしたけれど、実力を継続できなかった。日本は継続どころか、もっともっと成長してくれるはず。それだけのエネルギーを感じた大会だった。
この日は平尾の命日。1999年の第4回W杯に一緒に行った時の日本代表ジャージーで観戦した。天国で素晴らしい大会、素晴らしい試合を見て、興奮していたに違いない。(元日本代表)
◆平尾と朽木 日本代表のバックスを長く支えた同学年コンビ。第1、2回W杯にそろって出場し、1999年の第4回W杯では平尾さんが監督を務め、朽木さんはスタッフとして支えた。