図面 (/12)
目的
構成
技術分野
背景技術
発明が解決しようとする課題
0003
しかしながら、このような従来の技術では、スコップを使用した掘削作業に於いて、土をすくい上げはねるとき、作業者は、柄2と把手3しか掴むところがなく、浅い穴を掘るときなどはそうでもないけれども、深い穴を掘るような場合でも、一方の手で柄2の端部の把手3を、他方の手でできるだけ剣先1に近い部位を持とうとする。すると作業者の上体は深く前屈姿勢をとらなければならず、次にすくいとった対象物を投げ捨てる動作以降では、起きあがった姿勢になる。このように掘削作業は、両手に負荷を加えて行う上体の屈伸運動の繰り返しであり、作業者の腰部には大きな負担を強いると言った問題点があった。
0004
また、深く狭い穴を掘削したり、排水桝の浚渫をするとき、スコップの剣先1は深く挿入されることになり、地上に居る作業者の手は、剣先1に近い部位を持つことができない。柄2の剣先1から遠い部位を持って、剣先1を作用させるには大きな力を必要とすることになり、スコップによるこのような作業はきわめて困難であるという問題点があった。
課題を解決するための手段
0006
かかる問題を解決するための本発明の要旨とするところは次の各項の発明に存する。
0007
1剣先(11)と、該剣先(11)を先端に有する柄(12)と、該柄(12)の基端に設けた把手(13)とを備えて成るスコップにおいて、前記柄(12)と剣先(11)との接続部分(A)に操作用のロープ(21)の先端部を固結し、掘削作業時に引いて前記剣先(11)に力を加えられるよう、該ロープ(21)を前記剣先(11)のすくい面に続く前記柄(12)の前面側に沿って延ばし、該ロープ(21)の基端部を前記柄(12)と把手(13)との接続部分(B)に固結するとともに、該ロープ(21)の中間部分に持ち手(23)を設けたことを特徴とするスコップ。
0008
2剣先(11)と、該剣先(11)を先端に有する柄(12)と、該柄(12)の基端に設けた3角形状の把手(13)とを備えて成るスコップにおいて、前記柄(12)と剣先(11)との接続部分(A)に環状フック(22)を固設し、該環状フック(22)に操作用のロープ(21)の先端部を固結し、掘削作業時に引いて前記剣先(11)に力を加えられるよう、該ロープ(21)を前記剣先(11)のすくい面(11a)に続く前記柄(12)の前面側に沿って延ばし、該ロープ(21)の基端部を前記把手(13)の3角形状の空間(C)に通して固結するとともに、該ロープ(21)の中間部分に結び目(24)による持ち手(23)を設けたことを特徴とするスコップ。
0009
スコップ(10)を使用して掘削を行うとき、作業者は、把手(13)を両手で持ち、剣先(11)を土に突き立て、片足を剣先(11)の肩にかけて、剣先(11)を土に押し込む。次に把手(13)部分を押し下げる力を加えると、把手(13)部分を力点、剣先(11)の背面の一部を支点にして、剣先(11)を作用点として、梃子の原理で、剣先(11)が起こされ、剣先(11)の前面の土が他から切り取られて、剣先(11)のすくい面(11a)にすくいとられる。
0010
楽に作業ができる場合は柄(12)の先端部(A)を持っても良いが、必要により一方の手で把手(13)を握り、他方の手で柄(12)の前面側に沿って延びているロープ(21)の結び目(24)による持ち手(23)を持って引き上げそのまま勢いをつけてはねる。ロープ(21)が張って剣先(11)側の先端部(A)が引き上げられ、それにより剣先(11)を楽にはね上げることができる。この時作業者の上体は大きくは前屈することがないため、腰部への負担が少ない。
0011
掘削底が深い場合や排水桝又は側溝のように狭く深い穴の浚渫作業の場合は、柄(12)の剣先(11)側の先端部(A)は地下になり、地上の作業者は手が届かないが、柄(12)の剣先(11)側の先端部(A)に替えて、ロープ(21)の結び目(24)などにより構成された持ち手(23)を持って、引き上げる。その力は柄(12)の剣先(11)側の先端部(A)に働き、土をすくい上げた剣先(11)を容易に引き上げることができる。
0012
またロープ(21)の結び目(24)による持ち手(23)はロープ(21)を直接持つよりも、小さな把握力で確実に持つことができ、作業者の負担を軽減する。
0013
以下、図面に基づき本発明の各種実施例を説明する。図1〜図7は、本発明の第1実施例を示している。スコップ10は、剣先11と、剣先11を先端に有する柄12と、柄12の基端に設けた3角形状の把手13とを備え、全体が鋼板で一体に成形されて成る。柄12と剣先11との接続部分Aに環状フック22を固設してあり、環状フック22と把手13との間にロープ21を架設してある。
0014
剣先11は鋼板をプレス成形したもので、すくい面11aが前面から陥入して形成され、土に押し込みやすいように先端11bを尖らせてある。また肩11cの部分を折り曲げてあり、そこへ作業者の足をかけて、押し込む力を加えやすくしてある。
0016
環状フック22は、柄12の長手方向に平行に溶接で固着してある。環状フック22には、操作用のロープ21の先端部21aを固結し、掘削作業時に引いて剣先11に力を加えられるよう、ロープ21は剣先11のすくい面11aに続く柄12の前面側に沿って延ばされ、ロープ21の基端部21bの3角形状の空間に通して固結すると共に、ロープ21の中間部分に持ち手23を設けてある。
0017
持ち手23は、ロープ21の結び目24により構成してある。持ち手23の位置は概ね中央部が良いが、作業者の個体差によって、最適位置は異なる。
0018
図3〜図5に示すように、環状フック22はU字型で、両脚22a、22bを柄12に当接して溶着されている。ロープ21は環状フック22の孔内に通し脚22aに先端部21を掛けてから結んで固結されている。
0019
次に作用を説明する。
0020
図6は壺掘り作業を示している。図6では、スコップ10を使用して掘削を行うとき、作業者は、把手13を両手で持ち、剣先11を土に突き立て、片足を剣先11の肩11cにかけて、剣先11の先端11bを土に押し込む。次に把手13部分を押し下げる力を加えると、把手13部分を力点、剣先11背面の一部を支点にし、剣先11を作用点として、梃子の原理で、剣先11が起こされ、剣先11の前面の土が他から切り取られて、すくい面11aにすくいとられる。従来技術で可能なこの動作は全て違和感無くできる。
0021
図6では、次に一方の手で把手13を握り、他方の手でロープ21の持ち手23を持って掘り起こした土をすくい上げる。この時作業者の上体は大きくは前屈することがないため、腰部への負担が少ない。また、持ち手23はロープ21を直接持つよりも、小さな把握力で確実に持つことができ、作業者の負担を軽減している。
0022
図6では、続いて、一方の手で把手13を握り、他方の手でロープ21の持ち手23を持ったまま替えることなく、すくい上げた土をはねる。この時も作業者の上体は大きくは前屈することがないので、腰部に負担がかかりにくい。またロープ21の弾性を利用して、剣先11に弾みをつけ、すくい上げた土をより遠くへはねることもできる。
0023
図6では、掘削底が深くなるに従って、柄12の先端部Aは地下になり、地上の作業者は柄12の先端部Aを持つことができない状態である。無理に持とうとすると、姿勢が不安定となって力が減殺されてしまい、作業者の手が届く部位を持っていたのでは、剣先に作用する力は小さくなって、作用点に充分な力は働かない。
0024
そこで作業者は柄12と剣先11との接続部分A部に替えて、ロープ21の持ち手23を持って、引き上げている。ロープ21は延びて3角形を形成し、先端部に加わる力はロープ21の固結部Aに働き、土をすくい上げた剣先11を容易に引き上げることができる。
0025
ロープ21は引き上げる力で伸長し、引き上げる力の方向には自由度がある。作業者は左手の把手13を支点として、持ち手23を右手上方向に引き上げるとモーメントが大きくなり、直上方向よりも軽く引き上げられる。
0026
図6では、続いて、持ち手を替えることなく、すくい上げた土をはねる。ロープ21の弾性を利用して、剣先11に弾みをつけ、すくい上げた土をより遠くへはねることもできる。連続した1動作であるから労力の無駄がない。
0027
図7は排水桝又は側溝の浚渫作業を示している。図7で、排水桝又は側溝のように狭く深い穴の浚渫作業の場合、柄12の先端部Aは地下になり、地上の作業者は柄12の先端部Aを持つことができない状態である。無理に持とうとすると、姿勢が不安定となって力が減殺されてしまい、作業者の手が届く部位を持ってのでは、剣先に作用する力は小さくなって、作用点に充分な力は働かない。従って、このような作業には、従来技術は不適とされていた。
0028
そこで作業者は柄12と剣先11との接続部分A部に替えて、ロープ21の持ち手23を持って、引き上げている。ロープ21は延びて3角形を形成し、先端部に加わる力はロープ21の固結部Aに働き、土をすくい上げた剣先11を容易に引き上げることができる。
0029
ロープ21は引き上げる力で伸長し、引き上げる力の方向には自由度がある。作業者は左手の把手13を支点として、持ち手23を右手上方向に引き上げるとモーメントが大きくなり、直上方向よりも軽く引き上げられる。
0030
図7では、続いて、持ち手を替えることなく、すくい上げた土をはねる。ロープ21の弾性を利用して、剣先11に弾みをつけ、すくい上げた土をより遠くへはねることもできる。連続した1動作であるから労力の無駄がない。
0031
図8〜図10は、本発明の第2実施例を示している。環状フック22Aを柄12の長手方向に直角な方向にして溶接で固着している。ロープ21は環状フック22Aを通した後、柄12の剣先11との接続部分Aの背面を回して再び環状フック22bを通して固結している。また、ロープ21の中央付近に、棒状の部材23aを持ち手23として設けている。
0032
次に作用を説明する。
0033
ロープ21の引張力は柄12に伝わり、環状フック22bに加わる力は小さくなる。従って環状フックの小型化、軽量化が可能となる。ロープ21の中央付近に設けられた棒状の部材23aによる持ち手23は、手とロープの滑りを防ぎ、握る力が少なく、作業者の負担を軽減している。
0034
なお、前記実施例では、柄12と剣先11との接続部分Aに環状フック22を溶接で固着し、環状フック22に操作用のロープ21を固結し、柄12の3角形状の空間に通して、ロープ21の基端部を固結したものを示すが、これ以外の手段による環状フック22とロープ21の取り付け方法を排除するものではない。
0036
またロープ21は環状フック22に挿通して折り返し、両端を揃えて、柄12の基端部に固結しても良い。
0038
本実施例では、持ち手23aは、木製、棒状を示しているが、この他の形状、大きさ、材質、ロープ21に固着する方法等を排除しない。
0039
また結び目24は、構造がきわめて簡素で製作コストがかからない。作業者の個体差にあわせて自由に位置を変えることもできる。
0040
またロープ21は連続した1本のものである必要はなく、例えばしかるべき長さの2本のロープを結び目24で結び合わせても良い。
0041
また持ち手23は移動可能に取り付けても良く、前もって複数設けても良い。
0042
また剣先11と柄12と把手13は、それぞれ使用目的等により、形状、大きさ、素材を変えても良い。例えば、剣先は、先端が先鋭なものでも、丸いものあるいは直線状でも良い。柄は、鋼の他、アルミ、木、合成樹脂でも良い。
0043
把手は、柄12の基端部をそのまま延長したものまたは、棒状の部材を、柄12の端部にT字状に固設しても良い。
発明の効果
0044
本発明にかかるスコップによれば、掘削や浚渫作業において、作業者が前屈する必要がないので、屈伸運動が減少し、負担が軽減される。また、これまで不可能であったスコップによる狭く深い穴の掘削、浚渫が可能となる。通常の作業にも、従来技術のスコップと変わり無く使用できるため、利用価値が高い。既存のスコップに加工する場合、追加部の構造が簡素であるから、製造コストが安い。
図面の簡単な説明
0045
図1本発明の第1実施例に係るスコップを示す外形平面図である。
図2本発明の第1実施例に係るスコップを示す外形側面図である。
図3本発明の第1実施例に係るスコップの要部平面図である。
図4本発明の第1実施例に係るスコップの要部側面図である。
図5本発明の第1実施例を示し、図4のV−V線位置の断面図である。
図6本発明の第1実施例に係るスコップによる掘削作業を説明する模式図である。
図7本発明の第1実施例に係るスコップによる浚渫作業を説明する模式図である。
図8本発明の第2実施例に係るスコップの要部平面図である。
図9本発明の第2実施例に係るスコップの要部側面図である。
図10本発明の第2実施例を示し、図9のX−X線位置の断面図である。
図11従来技術に係るスコップを示す平面図である。
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0046
10…スコップ
11…剣先
12…柄
13…把手
21…ロープ
22…環状フック
23…持ち手
24…結び目
A…柄と剣先との接続部分
B…柄と把手との接続部分