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森ゆうこ議員「民間人を犯罪者扱い」してもお咎めナシの異常さ

根拠なき誹謗中傷も、免責特権で…

慣例の国会質問の内容通告が遅れたと官僚たちにリークされた、国民民主党の森ゆうこ議員の振る舞いが、ネット上でちょっとした話題になっている。

それはそれとして、筆者がより大きな問題として気掛かりなのは、同議員の民間人に対する根拠乏しき誹謗中傷発言だ。日本国憲法は第51条で、国会議員の院内での発言などについて、院外で責任を問われないという「免責特権」を保障している。

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それゆえ、原典となった新聞記事に対する名誉棄損裁判が進行中で、報じた当の新聞社が当該人物のことを書いたわけではないと弁明している記事を根拠に、いち民間人を、森議員が犯罪者扱いしたことが何ら責任に問われない、というのである。しかも問題の発言は、NHKが国会中継として放送している最中に行われたもので、誹謗中傷の対象にされた民間人が受けたダメージは計り知れない。

今週は、国会や国民民主党への信頼を損ないかねない、森発言の是非と善後策について考えてみたい。

 

森ゆうこ議員の“決め付け”発言

森ゆうこ議員と言えば、あの台風19号が関東に迫っていた10月11日の振る舞いが今、SNSなどネット上で注目されている。森議員は新潟県選出、当選3回の参議院議員だ。自由党を振り出しに民主党、国民の生活が第一、日本未来の党、生活の党、生活の党と山本太郎となかまたち、自由党を経て、現在は国民民主党に所属している。

国会では、閣僚らの正確な答弁を担保するために、質問者が事前に質問内容を政府に通告し、官僚が想定問答を策定することが慣例となっている。一方で、質問通告が遅れると、官僚らが深夜まで勤務を強いられるため、働き方改革の観点で問題視されることもある仕組みだ。