もちろん標準と望遠だけで十分という人もいらっしゃるでしょう。が、超広角を1度試すと、それが手放せなくなるシーンも多くあります。例えば、風景や集合写真などでの撮影に役立ちます。
また、Xperia 5では、被写体の手前側の瞳に自動的にフォーカスをあわせる「瞳AF」や、最大10fpsの追従速度を持つAF・AEなどは、Xperia 1のカメラ性能を踏襲しています。
▲Xperia 5では撮影アドバイスを表示する新機能が追加 さらに、Xperia 5ではフォトモードとマニュアルモードに「撮影アドバイスを表示」する新機能が加わりました。これは、指の入り込みやフォーカスが合っていないことを撮影前に知らせてくれる機能。また、まばたきや手ブレを撮影後すぐに確認し、撮り直しできるようにアドバイスしてくれます。
カメラ性能だけが向上するのではなく、こうしたユーザーをアシストしてくれる気の利いた機能は嬉しいですね。
ここまでXperia 5にしか魅力がないようにも感じ取れますが、実はXperia 5になく、Xperia 8だけにあるモードもあります。それは21:9比率での撮影が可能なこと。
▲Xperia 8は21:9比率を生かした写真が撮れる Xperia 5で撮影できる写真の比率は『4:3/16:9/1:1』の3種類。一方、Xperia 8では『4:3/16:9/1:1/21:9』の4種類から選べます。
Xperia 1やXperia 5で撮影した写真は、どれも黒い帯が表示されてしまいます。もちろんダブルタップすると全画面での表示に切り替わりますが、せっかく撮影した写真を家族や友人に見せる時には、画面いっぱいに広がる美しい写真がいいですよね。
続いて食べ物や夜景も作例をいくつか載せておきます。



Xperia 1とXperia 5には、ほとんど差がなく、どちらも綺麗に撮れました。一方、Xperia 8では全体的にコントラストが高く、特に青みがかってしまい、残念ながら美味しそうには見えません。より自然な色を表現するという点においては、Xperia 1とXperia 5のほうが良いでしょう。



続いて夜景ですが、Xperia 1よりもXperia 5のほうが明るくディテールもはっきりとしています。Xperia 8はこの2機種よりも全体的にやや暗めな仕上がりです。
インカメラでも差が
背面カメラではかなり機能に差がありますが、インカメラは両機種とも、セルフィー撮影時に下記5つの効果をつけられます。ちなみに同機能はXperia 1、Xperia Ace、Xperia XZ3でも既に使えます。
ぼけ:背景をぼかす
美肌:人物の肌をなめらかに補正
肌の明るさ:肌を明るくしてくすみをとる
目の大きさ:目を大きくする
輪郭補正:輪郭を細くする
▲背景のぼかし具合もスライダーで調節できる では補正をかけずに撮影した写真の仕上がりはどうでしょう。実はXperia 1、Xperia 5、Xperia 8の3機種、インカメラの有効画素数は約800万画素(F値2.0)と仕様としては共通しています。
▲画角が異なるのはご容赦ください この日の天気は曇りで、「日差しも秋風とともに和らいできた」そんな日でした。着ていたジャケットの色でさえ、Xperia 8では本来の色味や明るさが表現しきれていません。明るさが足りない場合はマニュアルモードで調節するといいでしょう。ただし、Xperiaはこの3機種とも、人物を認識すると周囲をやや暗くし、人物の肌を明るくし、フォーカスを合わせようとする癖があります。撮り方によっては、Xperia 8でも、そこそこ綺麗な写真が撮れます。
シャッターキーがないXperia 8は、指紋センサーと電源キーが兼用仕様
▲上から順にXperia 8、Xperia 5、Xperia 1
▲Xperiaは片手で構えて片手でシャッターを切れるのが魅力 Xperia 5とXperia 8を数日ほど使って感じたのは、カメラの性能や写真の仕上がりよりも、Xperia 8にシャッターキーがないことでした。Xperiaといえば、片手でフォーカス合わせやシャッターを切れる手軽さも他にはない魅力。もちろん、設定からボリュームキーをシャッターに割り当てるように変更できますが、それでも残念でなりません。
▲上がXperia 8、下がXperia 5 一方で、Xperia 8では指紋センサーと電源キー兼用仕様が復活したのも嬉しいポイントです。従来のXperiaでは長年にわたり、側面の指紋センサーは電源ボタンを兼ねていました。ですがXperia 1とXperia 5では、指紋センサーと電源キーが別々に配置されており、指でそれぞれを探り当てるのが面倒です。この点においてはXperia 8を評価できます。
▲Xperia 8 また、Xperia 1/5/8、全ての機種が側面のほぼ中心に指紋センサーや電源キーが配置されているので、左手で握った場合は人差し指もしくは中指で触りやすく、右手で握った場合は親指が触れる位置にあります。
高機能なXperia 5か、安いXperia 8か
これまで、ハイエンド一辺倒だったソニーモバイルの日本市場戦略ですが、携帯大手3社が分離プランを導入したこともあり、普及価格帯Xperiaを投入せざるを得なくなりました。
Xperia 5は大手3社が取り扱い、Xperia 8はauに加え、UQとワイモバイルの格安ブランドが取り扱います。各社オンラインストアでの一括価格はXperia 5が約8〜12万円、Xperia 8は約4〜6万円となります。
Xperia 1に相当するカメラ性能や発色のいい有機ELディスプレイなどを求めるのであれば「Xperia 5」をおすすめします。
一方のXperia 8はというと、SoC「Snapdragon 630」は2年以上も前に発売されたスマホに搭載されていたもので、とても最新であるとは言い難いです。しかしながら、普段使いするスマホであれば、お手頃価格のXperia 8で十分だと言えるでしょう。
参考までにXperia 1/Xperia 5/Xperia 8の仕様表を記載します。
▲Xperia 1/Xperia 5/Xperia 8の仕様比較