Data Discovery データディスカバリー

あなたの県の「稼ぐ力」は データで探る地域と産業

 地方創生戦略が動き出した。東京一極集中の是正や雇用創出のカギを握るのが、地域経済を支える産業だ。都道府県別の産業競争力や「稼ぐ力」をデータから探ってみよう。

働き手1人あたりの稼ぎ 千葉など首都圏勢が上位

1 千葉県
2 神奈川県
3 埼玉県
782万円
758万円
737万円
44 鳥取県 472万円
45 沖縄県 464万円

 まず各都道府県民が年間どれくらいの額を稼いでいるのか、働き手1人あたりで比べてみた。石川を除く46都道府県で最新の2013年度をみると、トップ3を占めたのは千葉を筆頭とする首都圏勢。最も低い沖縄と、千葉との差は300万円を超える。

02 10年間の増減率、山梨や岩手が高い伸び

沖縄県 -5.8% 奈良県 -10.3%
岩手県 14.5%
山梨県 15.7%
山口県 13.8%

 働き手1人あたりの稼ぎを10年前との増減でみると、顔ぶれは大きく変わる。10%を超える2ケタ成長をした6県は東北など地方勢が目立つ。一方で奈良は唯一の2ケタ減となっている。

03 第1次~3次産業別 この10年の成長は

青森県
東京都
北海道
44.0%
30.2%
28.5%
44 秋田県 -9.9%
45 佐賀県 -12.0%
三重県
山形県
宮城県
77.9%
66.9%
54.4%
45 奈良県 -8.7%
46 高知県 -12.5%
埼玉県
沖縄県
三重県
13.2%
12.0%
11.6%
40 佐賀県 -2.4%
41 福井県 -4.7%
1
2
3
  • 第1次産業第1次産業
  • 第2次産業第2次産業
  • 第3次産業第3次産業

 産業分類別の県内総生産(GDP、物価変動の影響を除いた実質)を10年前からの増減率でみると、第1次産業(農林水産業)は青森が44%増でトップ。第2次産業(製造業や建設業)は三重が77%増、第3次産業(サービス業など)は埼玉が13%増で、それぞれ最も伸びが高い。

04 製造業、卸・小売り、医療・福祉 高い雇用シェア

1 25.4%
2 24.4%
3 24.1%
滋賀県
静岡県
三重県
1 45.9%
2 44.8%
3 37.6%
北海道
沖縄県
鹿児島県
1 36.7%
2 23.5%
3 22.9%
愛知県
群馬県
広島県
1 18.2%
2 16.4%
3 16.1%
秋田県
鳥取県
鹿児島県
1 21.4%
2 21.0%
3 20.9%
大阪府
福岡県
宮城県
1 19.5%
2 18.5%
3 18.3%
高知県
長崎県
鹿児島県
  • 製造業製造業
  • 食料品食料品
  • 輸送用機械類輸送用機械類
  • 電子部品類電子部品類
  • 卸・小売業卸・小売業
  • 医療・福祉医療・福祉

 各都道府県の雇用を支えているのは、どんな産業なのか。全従業員に占める業種別の内訳を調べてみた。特に比率が高いのは製造業で、25%台の滋賀を筆頭に11県が2割以上を占めた。さらに製造業の内訳を細かくみると、食料品や輸送用機械、電子部品・デバイスの雇用吸収力が高い。
 製造業以外では卸・小売業の雇用シェアが高く、大阪や福岡、宮城が東京を上回っている。医療・福祉は、高知をはじめ上位13県を西日本が占めた。

05 若年層の起業者比率、高いのは西日本

愛媛県
3
2
4
山口県
2
9
6
鹿児島県
2
6
6
千葉県
1
2
7
青森県
1
1
6

 地域の産業活力を示す一例として、若い世代の起業状況もみてみよう。15~34歳で収入を得る仕事がある人(有業者)に占める起業者の比率が最も高いのは愛媛の3.24%。9位の熊本までを西日本が占めた。

06 黒字の法人比率、沖縄と東北が高め

1 沖縄県
2 青森県
3 福島県
37 長野県
38 徳島県

0%

0%

0%

0%

0%

 企業の収益環境は厳しく、2013年度で全国企業の71.8%が赤字だった。都道府県別にみると、そのなかでも黒字法人の比率が高いのは沖縄と東北勢。最も低い徳島(21.1%)と沖縄の差は15ポイントに達する。

07 都道府県のGDP 明治~平成でどう変わった

 いまは東京、大阪、愛知、神奈川、埼玉……の順で続く県内総生産(GDP、名目)も、時代とともに勢力図は変わってきた。統計としてさかのぼれる1874年(明治7年)は、大阪が東京を抑えて全国一。3位以下は兵庫や京都、新潟が愛知を上回っていた。この約140年にわたる推移をグラフでたどってみよう。縦の線を左右に動かすと、その年の都道府県のGDPとランキングを確認できる。

2000年度
1880190019201940196019802000100000200000300000400000500000600000700000800000900000GDP(億円)
1
東京
910241.3億円
2
大阪
393492億円
3
愛知
331977.2億円
4
神奈川
318754.5億円
5
埼玉
207890.3億円
6
北海道
206020.4億円
7
兵庫
203366.2億円
8
千葉
192003.8億円
9
福岡
179839.1億円
10
静岡
168224.3億円
11
広島
117273.3億円
12
茨城
115203.2億円
13
京都
101186.5億円
14
新潟
95771.7億円
15
長野
89007億円
16
宮城
88389.8億円
17
福島
82140.5億円
18
栃木
81835.5億円
19
群馬
79021.6億円
20
岐阜
75947.1億円
21
三重
73913.6億円
22
岡山
73076.7億円
23
滋賀
59878.6億円
24
山口
58500.9億円
25
熊本
57823.3億円
26
鹿児島
56045億円
27
愛媛
52973.6億円
28
石川
50133.8億円
29
岩手
49911.8億円
30
富山
48509.5億円
31
青森
46844.7億円
32
大分
46498.2億円
33
長崎
45445.5億円
34
山形
43345.9億円
35
秋田
39890.2億円
36
奈良
39039.7億円
37
香川
38201.2億円
38
宮崎
36800.3億円
39
沖縄
35733.9億円
40
福井
34266.8億円
41
和歌山
34167.9億円
42
山梨
32632.3億円
43
佐賀
30007.4億円
44
徳島
28119.3億円
45
島根
26549.8億円
46
高知
25753.4億円
47
鳥取
22035.8億円
1874 : 2013
制作・データ分析:
高佐知宏、白尾和幸、鎌田健一郎、佐藤健、清水明
ウエブ制作協力:
ノースショア株式会社
制作・データ分析:
高佐知宏、白尾和幸、鎌田健一郎、佐藤健
ウエブ制作協力:
ノースショア株式会社

日経朝刊の誌面では・・・ 日経朝刊の誌面では・・・

 全国28道県で、県内総生産(GDP)がリーマン・ショック前(2007年度)より「成長」――。4月18日付の日経朝刊「データディスカバリー」では、各都道府県の人口と1人当たりGDPがどう変化したのかをビジュアルに描いています。

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