明治安田生命は10月15日、子育てに関するアンケート調査の結果を発表した。調査対象は0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女1,100人。
まず、子育てにかかる費用(月額)についてたずねると、平均金額は「40,687円」(前年39,240円)で、前年よりも「1,447円」増加している。不足額(月額)については「不足している」と回答した人の平均金額は「23,620円」となった。
子育てにかかる費用を、夫婦共働き世帯と専業主婦世帯で比べると、共働き世帯は「46,005円」支出しているのに対し、専業主婦世帯は「32,637円」で、共働き世帯の方が「13,368円」多く支出している。また、不足額については、共働き世帯は「25,509円」、専業主婦世帯は「20,803円」不足していると回答しており、その差は「4,706円」となっている。
費用のうち、負担が大きいと感じるものは、「保育園・幼稚園代」が66.9%でトップ。続いて「習い事やお稽古事の費用」41.0%、「食費」27.6%の順となった。
共働き世帯の女性と専業主婦世帯の女性でみると、日々の生活に関わる費用である「食費」では、共働き世帯の女性18.8%に対し、専業主婦34.5%、「衣類費」では、共働き世帯の女性17.0%に対し、専業主婦26.4%と、専業主婦の方が負担に感じている・また、「レジャー・旅行費用」については、共働き世帯の女性20.3%に対し、専業主婦15.0%で、共働き世帯の女性の方が負担に感じており、働き方によって負担感に違いが出ているようだ。
■子育てをするのに理想の年収は
子育てをするにあたって理想の年収についてたずねると、1,032万円(夫:773万円+妻:259万円)となり、前年と比較すると前年1,029万円(夫:759万円+妻:270万円)から3万円アップしている。一方、現実の世帯年収755万円(夫:626万円+妻:129万円)との差は277万円となり、前年差の274万円から、こちらも3万円アップしている。
次に、相手に望む理想の年収を聞いたところ、夫が妻に望む理想の年収は288万円で、現実の妻の年収との差は159万円。一方、妻が夫に望む理想の年収は658万円で、現実の夫の年収との差は32万円となっている。
子育て費用に関する意識について、「配偶者の収入がもっと必要だ」と回答した男性は前年45.6%から53.1%へ大幅に上昇。また、「自身の収入がもっと必要だ」と回答した女性は前年77.5%から81.3%へ大幅に上昇している。
専業主婦を妻に持つ男性に出産後の女性の働き方に対する意識について聞いたところ、「フルタイムで仕事を続けるべき」は29.6%(前年23.5%)で、「パートタイムで働き子育ての時間を増やすべき」は32.2%(同30.2%)と、いずれも前年から増加している。また、「専業主婦になるべき」と、働くことに対して否定的な意見について、「そう思わない」と回答した人も、41.1%(同32.2%)に増加している。
では、「働きたいのに働けない」要因について専業主婦に聞くと、「周りに助けてもらえる環境でない」と回答した人が49.2%と最も多く、約半数の人がワンオペ育児により「働きたいのに働けていない」現状があることがわかった。また「保育園がない」は28.8%と、3割弱の人が保育園不足によって働けていない現状も浮かび上がった。
一方、男性の育児休暇の取得状況について聞いたところ、育児休暇の取得率が「0日」と回答した人は前年72.1%から今年73.5%と増加しており、1日以上取得した人は、わずか16.1%にとどまっている。取得日数については、「0日」を含める平均日数は「4日」で、1日以上取得している人の平均日数は「24日」という結果になった。
一方取得のうち最も多いのは1日以上1週間未満(8.2%)で過半数を占めており、本格的な制度活用には至っていない様子がうかがえる。
次に、男性には自身が取得したい育児休暇日数を、女性には夫に取得してほしい育児休暇日数を聞くと、男性自身が取得したい平均日数は、「102日」、女性が配偶者に取得してほしい日数は「70日」という結果で、両者とも現実と大きく乖離している。
自身の取得日数を不満に思っている男性に理由を聞くと、「周囲の環境が不足していたため、思うような日数取得できなかった」が54.5%でトップとなった。
【調査概要】
調査対象:0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女調査エリア:全国
調査期間:2019年5月24日(金)~5月30日(木)
調査方法:インターネット調査
有効回答者数:1,100人
回答者の内訳(以下の表を参照)
MONEYzine編集部[著]