マルイや蔦屋家電が店で商品を"売らない"ワケ

リアル店舗2.0という潮流

今、リアル店舗の新しい役割が見え始めている。写真は「売らない店舗」へと大きく変化をしている丸井の新宿マルイ1階の様子(撮影:今井康一)
「ネット販売が成長し、リアル店舗は衰退する」といわれて久しい。そんな中、新たなリアル店舗の動きが生まれている。
マーケティング戦略コンサルタントであり、『売ってはいけない』の著者でもある永井孝尚氏によると、「ネットが当たり前になったおかげで、“リアル店舗2.0”とも呼ぶべき新たな潮流が生まれている。キーワードは『売らない店舗』だ」という。そこで、新しいリアル店舗のあるべき姿を語ってもらった。(本記事は、同書の一部を再編集したものです)

リアル店舗は、もうオワコン?

「買い物はスマホ」という人は多いだろう。わが家も、買い物の大半はネットだ。幅広い商品を選べるし、翌日には届く。店から持ち帰る必要もない。しかも安い。

私は夏用のTシャツもネット注文だ。好きな色を選び、好きな刺繍にネームを入れて、自分好みのTシャツに仕上げることができる。

こんな時代なので、「もう店で売るのは無理……」と思う店があってもおかしくない。だが、現実には、ネット普及でリアル店舗の新しい可能性が生まれている。

あえて店で売らないのだ。売ることにこだわっていると、これはなかなか気づけない。

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  • かず8534b1b475c6
    流通費用がバカ高いので、ネット通販で安く買う客は多い。だが、商品を見てから買いたい、だから大手量販で下見をしてからネット注文をする。これが当たり前だったのが、店側がこの動きに呼応してショウルームに徹したということだろう。メーカーからすれば、メーカー出荷価格はほぼ同じだから、どこで売れようが一向に構わない。むしろ、大手量販が仕入数を武器に値引き要請され困っていたので、わずかなショウルームとネット通販を武器に直販を進めることによって、実質価格の値下げが容易になる。その内、食品以外は大手量販というスタイルはなくなるのだろうね。
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    2019/10/21 08:23
  • 名無しdc17334f3540
    商品作る様になったから、いかに在庫がない状態がいいかわかるようになったが、
    ジュンク堂に行くとクリアファイルも合わせて購入する時がある。
    本は綺麗なのとか重たいのを運びたくない時は通販を利用する。

    綺麗であれば購入する時ネットだろうが、店員さんでも買う。
    変なことがない限りお店は廃れることないと思うが。
    up10
    down1
    2019/10/21 10:03
  • AJRAbdebf3631e11
    店舗販売は、店舗にいる販売員の言葉のセンスが大きいように思う。また来ようともうか、もういいやと思うか、言葉一つで随分違うと思います。
    up0
    down2
    2019/10/21 11:49
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