意味不明や真逆の誤解だって…。
Google翻訳、皆さんは使ってますか? まったく意味がわからない言語を、サクッと意味がつかめるように訳してくれて、けっこう重宝している人が多いのでは。
だけど、あくまでも補助的なツールとして使うべきであって、これを完全に信頼して仕事を進めたり、コミュニケーションを100%取っていったりしようものなら、やはり大変な問題が生じることだって多々ありますよね?
たとえば、Google翻訳に日本語で「仕事休みたい」って入れると、英語では「働きたいです」という意味の「I want to work」だなんて表示されます。あの、まったく反対の意味なんですけど?
ちなみに、こうした問題は、当のGoogle(グーグル)だって十分承知のようでして、そのサービス提供方針に、こんな但し書きまで用意されていましたよ。
(Google翻訳で) 正確な翻訳を提供するため、かなりの努力が傾けられてはきました。しかしながら、どんな自動翻訳も完璧ではなく、決して人間の翻訳者の代わりになろうとするものではありません。
ところが、このほどProPublicaは、米移民局(USCIS)の職務遂行マニュアルを、難民支援を進めるInternational Refugee Assistance Projectが入手したと報道。そのなかには、なんと局職員に対して、堂々とGoogle翻訳やYahoo(ヤフー)およびBingなどの提供する無料の翻訳ツールをフル活用していくことを勧めるガイドラインが認められました。Google翻訳にいたっては、どんなふうに用いることができるのか、手取り足取り解説して活用を促すインストラクションまで用意されているんだとか!
なお、この問題点に関しては、ProPublicaも多方面から指摘しており、数々のGoogle翻訳の珍訳を紹介しています。それが笑い話で済めばよいんですけど、いまや米政府機関はビザ取得や亡命を申請してきた外国人に対し、SNSアカウントの提出を求め、その審査にGoogle翻訳が多用されている可能性を懸念。
ある言語では他愛のない冗談が記されているのに、別の言語へ、その背景を理解せずに翻訳すると、なにか国家に脅威をもたらすような内容に聞こえてしまったりする例は多々あり、USCISなどの政府機関が、こうした問題を引き起こすツールを多用してよいものか? その危険性が心配されていますね。
ちなみにUSCISは、入国審査などに当たり、昨年度は1万1740件ものSNSアカウントを審査したことを明らかにしています。その審査にも、やはりGoogle翻訳が使われていたのでしょうか? うSNSにジョークも書けない時代が、もうやってきているのかもしれませんよね。
Source: ProPublica