10月17日、トヨタが2名乗りの電気自動車「超小型EV」を発表しました。実車は東京モーターショーのフューチャーエクスポ(FUTURE EXPO)で展示されます。
シンプルなネーミングですが、これは仮のもの。それより2020年冬には本当に発売されることに注目でしょう。スペックは下記のようになります。
<超小型EVのスペック>
・全長×全幅×全高=2490×1290×1550mm
・乗車定員=2名
・航続距離=100km
・最高速度=60km/h
・充電時間=約5時間(200V、リチウムイオン電池)
初心者や高齢者が買い物など日常の近距離移動をしたり、ビジネス用途で巡回や訪問などに使うという想定。軽自動車より90cm短く、20cm細身というコンパクトさを活かし、最小回転半径も3.9mと小回りが効きます。後輪にモーターを配置して後輪を駆動するRRレイアウトを採用。
実は、軽自動車より小さいミニカーサイズで、使用者を限定せず、制限速度60km/hで一般道は自由に走行可能という新しい超小型車のカテゴリーが、安全性などを軸にメーカーと国交省で検討されていたんですね。
<国交省が検討中の超小型モビリティのスペック>
・全長×全幅×全高=2000×1300×2000mm以下
・乗車定員=4名以下
・定格出力=0.6kWh(0.8ps)以下
・制限速度=60km/h
・車両重量=350kg以下
・新規格の車であることがわかる車体表示の義務付け
高齢化や過疎化といった問題を抱える地方のモビリティに、自動運転車よりも前に導入できそうなのが、こうした超小型モビリティだというのはリアリティがあります。トヨタの超小型EVも、よく観察すると、市販されるクルマ(のプロトタイプ)として、ディテールまで作りこまれているのがわかります。
安全性が気になるところですが、40km/h程度の前面衝突の安全性や、インテリジェントクリアランスソナー、プリクラッシュセーフティなども盛り込まれるようです。基本的なところでは、シートベルトや前席ヘッドレスト、インパネの衝撃吸収なども条件になります。
一方、ボディ幅が狭いので、制限速度の低さなどを理由に、サイドやリアの衝突安全性は免除。このクルマもドアは薄く、サイドウインドウはチケットなどが最低限取れるように一部を手動で上下できるのみです。メーターはスクーターのようにシンプルで、その右側のクレードルにスマホやパッドを置いてナビの代わりににするなど、コストを意識したつくりになっているのがわかります。価格も100万円を大きく下回るのではないでしょうか。
トヨタはキックボードやクルマ椅子スタイルなどの歩行に近い電動モビリティも翌2021年に発売予定です。日本が抱える待ったなしの問題に、自動車メーカーが具体的に取り組む時代がいよいよ来たと言えそうです。
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