[土屋伸之]土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送、ここからは一週間を雑談で振り返る『常連さんに聞いてみよう』のお時間です。今日の常連さんは田中康夫さんです。おはようございます。
[田中康夫]おはようございます。
[出水麻衣]よろしくおねがいいたします。
[土屋]さあそれでは今日も一週間のニュースをですね田中康夫さんと一緒に振り返ってまいります。
[田中]ジャンボン・フロマージュを食べながら。
[土屋]ありがとうございます。今週もおみやげを頂いています。
[出水]雨の中ありがとうございます。まずは一週間の主な出来事を振り返って参ります。
[土屋]田中さんが気になったニュースは?
[田中]まあでも、ラグビーもほら、試合ができなくて引き分けになっちゃった国が。
[土屋]という国がありましたね、イタリアとか。
[田中]ノー・サイドじゃないよなって思ってるかもしれないけれど。まあこのオリンピック、実は今日ね、パントマイマーの元「ザ・ニュースペーパー」の松元ヒロさんの誕生日なんですよ。
[塙宣之]あー、松元ヒロさんの。
[田中]うん。で、松元さんはずっとパントマイムで、まあ日本はずっと「おもてなし」って言ってきたんだけど、「おもてなし」をすごく上手く伝えて「おもてがない=裏ばっかり」っていうパントマイムをやるの。
[土屋]パントマイムで?
[田中]すごいんですよ、国立演芸場で僕見たんだけれど。
[塙]何もないものとかをね擬人化したりやったりしますもんね松元さんは。
[田中]うん、すごい才能なんだけど。アンダー・コントロールって言ってたんだけど、今回結局、IOCが音を上げちゃったってことだよね。つまり、もう東京ではマラソンとか競歩とかとても無理だって言われちゃったわけでしょ?ところが北海道の札幌も真夏日はね今年8日間あったんですよ。で、帯広、NHK連続テレビ小説「なつぞら」の舞台になってる帯広はね、猛暑日が今年は4日もあったの、猛暑日が。で、真夏日が19日あったんですよ。
[塙]結構暑かったんですね。
[田中]で、倉本聰さんが住んでるラベンダーの富良野、富良野も猛暑日が2日で真夏日が19日もあったの。これ気象庁のに載ってるの。そうすると札幌でも大丈夫かよ?と。
[土屋]確かに。
[塙]まあでも無いですもんねそれ以外は。
[出水]そうですね、涼しい場所が日本には無いですもんね。
[田中]だから小池(東京都知事)さんはほら、もう道路も整備したんだから損害賠償したいくらいだって言ってるんだけれど、でも考えてみるとこれ、元々オリンピックの立候補の時にみんなも覚えてると思うけど、この時期の天候は晴れる日が多く且つ、温暖である為アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である、というのを日本のオリンピック招致委員会は文章に英文、仏文、日本語に書いたわけでしょ?そうすると逆にこれ本当だったんですか?ってIOCに逆損害賠償されるかもしれないという(笑)。
[土屋]なるほどね。
[田中]大変な、まさに #TOKYOインパール2020になってきちゃっている。
[塙]東京ドームで何周かしてやれば…。
[土屋]何周?!
[出水]ずいぶん周らなきゃいけないですね(笑)。
[土屋]マラソンを?!(笑)。
[田中]もう一個、為末大さんがね、大会期間中の気候を心配する人と現政権に反対の人が妙に重なっているのが偶然だろうか?ってツイートを以前にしてたんだけれど、そうするとじゃあIOCは現政権に反対なのか?!っていう大変なブーメラン状態になって、だからオリンピックをこの時期にやるってのも、アメリカのスポーツとかアメリカのテレビ局の都合だって言ってるけど、いやでもこっちだって独立した国だし大人だしさ、考えなきゃね、という感じなんだけども、今日は川の問題を扱いたいと思います。で、僕が一方的にお話するよりもツイートが来てるのを出水さんにご紹介頂いて、それで解説できればなと思います。
[出水]そうですね。はい、ではこの、河川が決壊しまして被害が出ました台風19号においてそれに関するツイートがいくつか来ております。これはですねお名前はご紹介しない方が良いですね。この方のツイート、「八ツ場ダム完成直後で空っぽだったから利根川洪水防止に役立った。ただし、満水だったら放流しかなかったのでは?要はタイミングの問題。私は保守派だが今の議論、ピント外れと思う」というツイートがあります。
[田中]今回もね、六つの河川で緊急放流したんだけれども、これはメディアが書いたんだけれども、この六つの河川、今回これだけの台風が来るって分かりきっていたんだけれども事前放流を国の管理のダムはしてなかったと。で、なんでですか?って聞くとノー・コメントって言ってるわけ。つまりダムって何かと言うと、今回も全く水が殆ど無いところに一昼夜にして45メートル溜まったわけでしょ?そうすると八ツ場ダムというのは治水だけじゃなくて利水と言って上水道の為なのである程度溜めているわけですよ。
そうするともしこれが半年後に8割方溜まってる段階であったならば、結局ダムでは防ぎきれなかったという話になってくるわけですよね。で、僕が後で『「脱ダム」宣言』の意味ってのを、出水さんに宣言の文章を読んで頂こうと思うけれども、治水とか治山というのは、「ローマは一日にしてならず」なんですよ。あるいは「学問に王道なし」なんですよ。つまり巨大な、一個豪華主義で造るんじゃなくて、世の中は今みんな分散型社会になろうよって言ってるわけでしょ。
そうすると以前から私が述べているように護岸の補修であったり、1平米1万円で機械を使って地元の業者ができる浚渫(しゅんせつ)であったり、あるいは上流の、時間が掛かるけど森林整備であったり、ところが今回、その前から国は最近、豪雨災害、局地災害が多いというので5年間で7兆円かけて緊急的な治水とか治山をやりましょうと言ってるんだけれども、でもこの中には7兆円かけるのに浚渫の予算ってのが項目として出てきてないんですよ。で、これは私が知事をやっている時に、前から道路でも造るけれどもそれは補修をしなきゃいけないでしょ?補修の費用ってのは、これは国が村道でも造る時には65パーセント出すのに補修の費用は全額地元費なんですよ。だけど川って、地球は生きてるから砂は流れてくるわけでしょ?それを浚渫するという予算が項目として無いんですよ。だから例えば、今回の場合もダム云々というよりもね、堤防の問題だと思うんですよね。
[塙]堤防ですよね。
[田中]で、堤防ってのは、水が堤防を越えるのを越水と言います。「越える水」と言います。それに対して堤防が壊れることを破堤(はてい)、「堤防が破れる」と言います。で、堤防を水が越えても、それはまだそこの人たちはハザード・マップで事前に避難しておきましょうだけれども、破堤をしてしまったらまさに鉄砲水のような状態が住宅地に入ってきてしまうことなんですね。しかも堤防の決壊に至る原因の7割から8割はいわゆる越水をすることによって水が押してっちゃう。
だから、前も申し上げたかもしれないけれども、アメリカやヨーロッパや、あるいはお隣の韓国でも以前に決壊をしたような場所には鋼の矢板という鋼矢板を2枚入れると。そうすると全壊しない、あるいは、いやいやそれは違うと言うんであれば、実際にソイル・セメントという、いわゆるセメントと土砂を混ぜたものを堤防の中に入れておく。
ところが日本の堤防ってのは「土堤原則」と言って堤防の中は土と砂だけなんですよ。で、このことをずっと言ってて、これはもう、国土交通大臣を務めた太田昭宏さんもですね、元々京都大学工学部の土木工学科出身だから是非こうしなきゃと言ってたのに、堤防の中に不純物が入る、って国土交通省の役人の人たちが言ってるのね。
でも、我々だって心臓のところに鉄をね、弁膜症の人とか入れるわけだし、金属が中に入るのはヘンよねって、だから今回はホントに八ツ場ダムがたまさかの、でも4パーセントなんですよね利根川流域に降った水をコントロールできるのは。だから国土交通省は下流に、例えば荒川の、埼玉県に彩湖という遊水地、あるいはこれは田中正造氏が足尾銅山の、公害のことがあったけど渡良瀬川の遊水地ってのがあるわけですね。これはやっぱりタイム・ラグをつけるっていうことで、ところが上流のダムが事前放流もしてないってことになると、これは果たしてどうなんですか?ってのが1つの議論。だから一点豪華主義、だけど八ツ場ダムできるまでに67年かかってんですよ、計画されてから。そうするとその間にやるべきことは堤防の補修や護岸工事や浚渫だったんじゃないのかな?っていうね。