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【プロ野球】

舌を巻くしたたかさ ソフトバンク・千賀が蒔いた「エサ」は巨人打線にボディーブローのように効く[大島康徳評論]

2019年10月19日 23時33分

7回のピンチを脱した千賀は、この雄たけび

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◇19日 日本シリーズ第1戦 ソフトバンク7-2巨人(ヤフオクドーム)

 ソフトバンクのバッテリーのしたたかさに舌を巻いたのは1回表。先発・千賀の坂本勇に対する攻めを見た時である。単にこの打席、この試合だけでなく、シリーズ7戦を見据えた強烈な意図を感じたからである。

 千賀はカットボールとフォークの持ち球であるが、坂本に対しては6球中、5球が球速150キロ台後半のまっすぐで、しかも、全て内角を突いている。二飛に打ち取るのだが、結果はどうでもいい。この徹底したインサイド攻めは、坂本勇は言うまでもなく、巨人の主軸の右打者、岡本、ゲレーロらの脳裏に焼きついたはずである。事実、岡本、ゲレーロはもう外角のボールに届かなくなっていた。

 この千賀の「エサまき」は、ピッチャーは代わるが、2戦目以降も効果を発揮するだろう。逃げるのではなく、攻めるぞ、のメッセージ。巨人打線に意識させるだけでボディーブローのように効いてくるはずなのだ。そして、ソフトバンク投手陣は千賀の姿に勇気づいたはずである。

 1勝以上の価値と差を感じた初戦であった。(本紙評論家)

 

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