台風19号の影響で12日から運転を見合わせていたJR中央線の大月―高尾間は18日午前、運転を再開した。6日ぶりの運転再開に、利用者からは安堵(あんど)の声が漏れた。一方、中央自動車道の通行止めも19日正午に解除される見込みとなり、鉄道に加え、高速道路も山梨と東京方面がつながることになりそうだ。
大月―高尾間の運転が再開された18日、JR甲府駅は朝から利用者や臨時の時刻表を確認する人でごった返した。友人を迎えに来た南アルプス市の加藤嘉晴さん(73)は「復旧が間に合って良かった」と胸をなで下ろした。友人のカメラマン、三戸呂拓也さん(34)は東京都調布市から約3時間かけて到着。「復旧して良かったが、本数が少ないので計画的に行動しないといけない」と話した。
JR東日本八王子支社によると、大月―高尾間は18日午前10時過ぎから順次運転を再開。高尾―相模湖間は下り線のみを使った単線運転のため、1時間から2時間半の間隔で折り返し運転となった。同区間は19、20日も午前7時~午後7時ごろの間、1時間から2時間半の間隔で運転。21日以降は1時間の間隔になるという。「あずさ」「かいじ」などの特急の運転再開は今月末になる見通し。JR大月市で時刻表を確認していた上野原市の男性(62)は「早く全面復旧してほしい」と話した。
一方、台風の影響で12日午前10時から通行止めが続いていた中央自動車道八王子JCT(ジャンクション)―大月IC(インターチェンジ)間について、中日本高速道路は18日、19日正午に通行止めを解除する見通しだと発表した。ただ、18日から降り始めた雨の影響で開通がずれ込む可能性もある。
同社八王子支社によると、同区間の4カ所で土砂崩れが起きたが、18日までに土砂の撤去が進み、解除のめどが立ったという。応急的な復旧のため当面は路肩規制が実施され、通常の基準より少ない雨量でも通行止めとなる。
同社の担当者は「路肩規制のため、道路の幅が通常よりも狭い。車間距離を確保し追突事故などに気をつけてほしい」と呼び掛けている。【金子昇太、野呂賢治】