ネイア・バラハの聖地巡礼!   作:セパさん

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・この話は後日談であり、蛇足です。ネイア・バラハの聖地巡礼!本編を前提とした話しとなっておりますので、ご了承下さい。

・IF設定が更に独自の進化を遂げた世界を舞台にお送りしております。

・キャラ崩壊注意です。

 以上を踏まえた上でお読み下さい。


【後日談】短閑話 ネイアの部屋

「…………うわぁ。」

 

「何でちょっと引いてるんですかシズ先輩!?」

 

 『魔導王陛下に感謝を送る会(仮)』の本部に設置されているネイア・バラハの私室。今日も今日とて偵察・技術指南の仕事(あそび)に来たシズはネイアの部屋に案内され、若干引いていた。

 

 部屋の正面や至る所に立派な額縁に入ったアインズ様の大小様々な肖像画、横には感謝を送る会(仮)のシンボルマークが張られており、【アインズ様語録】と銘打たれた様々な言葉が立派な木彫りの文字にされ、壁に所狭しと飾られていた。生活用品は極めて少なく、服は同じ様なものが数着ハンガーに掛けられて部屋の片隅に吊されており、あとはベッドと机しかない。机にはアインズ様の石像がピカピカに磨かれて置かれている。

 

「ひょっとして偶像崇拝はやはり不敬ということでしょうか!?ですが、日々アインズ様のご尊顔と、彼の戦いにおける金言を胸に焼き付けるだけでなく、こうして形にするというのは大事だと思ったのですが。やはり間違っていましたか!?」

 

「…………アルベド様も同じ様な事をしている。だからそこは大丈夫。多分。」

 

「アルベド様が!?」

 

 何時もアインズ様の横におられる微笑みを称えた魔導国宰相の座に着く美女。アインズ様の右腕とも言える御方さえも、自室においてさえアインズ様を讃えているというのか。何時でもアインズ様にお逢い出来るお立場であろうにという疑問と、若干の嫉妬心が湧いてくるが、ネイアはそんな不敬な考えを頭から振り払う。

 

「でしたら問題無いのでは?」

 

「…………アインズ様の素晴らしさを知るのはいいこと。」

 

「ですよね!」

 

「…………アインズ様の素晴らしさを知っているネイアがここまでやるのはちょっと引く。」

 

「えええええ!!」

 

 さっきの話を聞くと、遠回しにアルベド様にまで飛び火しているが、ネイアは聞かなかった事にする。

 

「じゃあシズ先輩の部屋はどうなっているんですか!?」

 

「…………むっ。企業秘密。」

 

 今の〝むっ〟はこれ以上追求しないで欲しいときに発する〝むっ〟だ。そろそろ長い付き合いになるネイアはその辺を熟知しており、これ以上言及することを止める。

 

「…………ただ。」

 

「ただ?」

 

「…………わたしが部屋をコーディネート。その見本を見せる。」

 

 シズ先輩はそういって宝石のような右目を光らせ、ビシッを親指を立てた。服装の趣味やセンスが良いことは以前に実証済みだが、シズ先輩の部屋というのは想像も付かない。何だかベッドすら無いような無機質な想像さえ浮かんでしまう。

 

 

 

 

 そして半月後

 

 

 

「…………ここ。」

 

 それは以前の聖地巡礼でも潜った転移魔法の極地、<転移門(ゲート)>だった。

 

「あの、これひょっとしてまた真なる王城に繋がってます?」

 

「…………そう。」

 

 ネイアは花咲くように破顔する。またアインズ様にお逢い出来る。そんな考えだったが。

 

「アインズ様は外出中。一室に入るご許可だけ頂いた。」

 

 その一言にネイアはガクっと崩れ落ちる。シズ先輩はそんなネイアの頭を乱暴に撫で、手を繋ぎ一緒に<転移門(ゲート)>を潜る。

 

 その先は白を基調とした清潔感の溢れる部屋であり、正面の壁にはネイアの部屋より一回り小さいが、より精緻に作製されたアインズ様の肖像画が飾られている。大きな窓からは光が差し込み、白いソファーとベッドが絶妙な配置に調和され、シンプルで洗煉された部屋となっている。

 

 そして壁には可愛らしいアクセサリーと……

 

「あの、シズ先輩。あれ、なんですか?」

 

 ……磔刑に掛けられてグッタリしている小さな生物と大きな獣の姿があった。

 

「…………かわいいもの。ワンポイントが大切。」

 

「いや!可愛いですか!?存在感がワンポイントどころじゃないんですが!小さい方は兎も角、大きい方は只者じゃない気配がプンプンするんですけれど!?」

 

「…………大丈夫。2人とも喜んでいる。」

 

「わ、わたくしには掃除という大切な仕事が……」

 

「シズ殿……た、助けて欲しいでござ……」

 

「…………ね。」

 

「今完全に助けを求めてましたよね!?睨み付けて口を封じましたよね!?」

 

「…………いくらネイアでもあげない。」

 

「いらないです!」


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