※本記事はオンラインプログラミング学習サービス「ウェブカツ」のWEBマーケティング部のレッスン内容を掲載しています※
分析なくして改善なし。
改善をするためには分析がとても重要になってきます。
しかし、何が問題なのか分析し、はっきりさせずに行き当たりばったりで問題を解決している現場は多くあります。
分析をしなければ、あらぬ方向に改善している場合があります。
そして、効果がないという判断をします。
腰が痛いのに頭痛薬飲んでも効きませんね。
極端な例だと思うでしょうが、実際のWEBマーケティングではこのようなことをしている現場は多くあります。
目次 [hide]
KGIとCSFと施策とKPI
問題を発見するためには問題かどうかを判断するためにまずはゴールを定める必要があります。
そのゴールには2種類あり、
KGI(ケージーアイ)
KPI(ケーピーアイ)
に分かれます。
そして、その2つのゴールと一緒に決めるものがCSFと施策と呼ばれるものになります。
KGI(ケージーアイ)の設定
サイトを運用しているみなさんはなぜサイトを立ち上げたのでしょうか? そこには少なからず目的・目標が存在していたと思います。
よく聞く目的としては以下の様なものがあると思います。
- たくさんの人にサイトを見てもらい認知度を向上させる
-
サイト経由の資料請求を増やす
-
ECサイトでの売上を増やす
この目的・目標を具体的に数値化し期間を設けたものをKGI(Key Goal Indicator : 重要目標達成指標)と呼びます。
- 1年後の月間セッション数を10万セッションにする
-
1年後サイトからの資料請求を月1000件にする
-
ECサイトでの売上を1年間で10%向上させる
KGIがあれば、サイトの良い点・悪い点や施策の効果といったものが判断できるようになります。
KGIの設定については、企業のビジネス目標やそのサイトのジャンルによって異なります。
例えばWebサイトでのみ商品の購入が可能なサイトであれば、売上や顧客単価といったものがKGIになります。
制作会社のようにサイトでは直接売上がないサイトの場合は、問い合わせ数や、問い合わせから発生した売上などがKGIになります。
KPI(ケーピーアイ)の設定
次はKGIを元に小目標(中間目標)を設定します。これをKPI(Key Performance Indicators : 重要業績評価指標)といいます。
例えば、「今日の夜までに軽井沢へ行く」ことを「目標」にするとします。
夜に軽井沢に着くためには「正午までに神奈川県を通過する」必要があることがわかったので、それを小目標に設定します。
この場合、「今日の夜までに軽井沢へ行く」という最終目標が KGI、「正午までに神奈川県を通過する」という小目標が KPIです。
実際には「神奈川」以外にも通過ルートは色々あり、KPIも複数になっていくことがあります。
誤ったKPI設定の例
よくやりがちなのが、KGIに対してKPIが適切でないというものです。
ネットショップの KGIを1年後までに売上を2倍にする
というKGIを設定した場合、やりがちなKPIの設定として
「1年後に2倍にする必要があるから、1か月後は◯円、3ヶ月後は◯円という KPIを設定しよう」
とやってしまいます。
こういう場合は、売上をもっと分解して、売上に関わる要因を割り出して、その指標をKPIとしましょう。
例えば、売上を上げるためには「新規顧客数」「リピート率」「 コンバージョン率」「客 単価」のいずれかをアップさせる必要があります。
自社の売上構成や顧客の傾向を見た上で、現状どの部分をより伸ばすことができそうかを考えると、自然と KPIに設定する項目が決まっていきます。
例えば 単価が高いけどあまり プロモーションを行っていない商品があるなら、 KPIを客 単価に据えて高価格商品の訴求を強め、入力 フォームに改善の余地があるのなら コンバージョン率を KPIに据えて入力 フォームの A/Bテストを集中的に行う、という手段が考えられます。
KPIはあくまで目的達成のための手段なので、同時に2つの KPIを追ったり、期間ごとに KPIを変えたりする場合も出てくるでしょう。
複数のKPI設定
例えば、サイト全体の売上が1億円、ネット広告経由の流入が50万セッションで売上が2000万円というサイトがあったとします。
このサイトが「サイトでの売上を1年間で10%向上させる」というKGIを設定した場合、KGI達成のため「購買数の増加」が重要な指標だと考え、それをCSFに設定し、そのKPIとして
– 流入数を10%UPさせる(流入が上がれば、購買数の増加につながるだろう)
– 平均サイト内回遊時間(サイト内をユーザーが見ている平均時間)を1分以上にする(そうすれば、購買数増加するだろう)
といったものが考えられます。
1つのKPIが達成されなくても他のKPIの達成によりKGIが達成できることもあります。
また、KPIを立てる際は、以下に注意しましょう。
1)不可能なものにしない
2)外部要因による数値変動が大きいものにしない
3)改善幅が大きいものにする
こうやってまずは各ゴールとそのための手段を考えてきます。
CSF(シーエスエフ)の抜き出し
KGIを設定したあとは、それを達成するためのCSF(Critical Success Factor : 戦略目標・重要成功要因)を設定した方がKPIが決めやすくなります。
CSFはゴールを達成するために必要不可欠なもの、すなわち「これなしに成功はありえない」という要素のことです。
もしプロジェクトに、無限の予算と、無限の人材、無限の時間があるのなら、CSFを決める必要はありません。
しかし、プロジェクトには必ず人材や資金、時間などのリソース(資源)は限られています。
なので、プロジェクトにおける実施項目を仕分けし、優先順位の高い項目にプロジェクトのリソースを集中的に投入していく必要があります。
そのためにどうやって達成するかを考え、その中で一番効果的なもの、必要不可欠なものを決めたものがCSFになります。
KSFの例としはこのようなものになります。
目標 | KGI | KSF | KPI |
---|---|---|---|
退職率を下げる | 退職率-10% | 従業員満足度向上 | 社内イベント4回/月 |
売上アップ | 売上+15% | 店舗売上 | 来店者数+30% |
施策(しさく)の立案
KGI、CSF、KPIを立てたら、最後はそのための施策(アクションプラン)を考えます。
施策を考えるためには優先度をつけます。やりたい事は山ほどあるため、その中で効果的な施策、投資対効果の高い施策を優先します。
ちなみに投資対効果のことをROI(アールオーアイ)と良い、これもよく使う言葉なので覚えておきましょう。
例えば施策の具体的な例として、
売上を向上させるためを考えた場合以下のようなものになります。
CSF:顧客単価をあげるのが重要
KPI:同時購入数を10%UPさせる
施策:おすすめ商品を表示し同時購入につなげ、5%UPさせる
施策:回遊性を向上させ色々な商品を閲覧できるようにし、同時購入を増やし、5%UPさせる
CSF:流入数を増やすのが重要
KPI:流入数を20%UPさせる
施策:ネット広告を出して他サイトから誘導し、流入数を15%UPさせる
施策:ソーシャルメディアで情報を発信し顧客を誘導し、流入数を5%UPさせる