【ニューヨーク=大島有美子】米ブルームバーグ通信などは18日、シェアオフィス大手「ウィーワーク」を展開する米のウィーカンパニーの経営支援を模索しているソフトバンクグループ(SBG)が、ウィーカンパニーの企業価値を80億ドル(約8700億円)以下と見積もっていると報じた。SBGが直近で出資した1月時点の想定額を8割下回ることになる。
SBGは1月時点でウィーカンパニーの企業価値を470億ドルと見積もっていた。新規株式公開(IPO)を目指すにあたり投資家から企業統治姿勢などに厳しい目が向けられ、企業価値は9月以降に200億ドル以下に目減りした。今回さらに減少する見通しとなった。ウィーカンパニーの広報担当は「コメントを控える」としている。
ウィーカンパニーに累計で100億ドル超を出資した大株主のSBGは、追加出資を軸とした総額50億ドルの支援をSBG本体で実施する構えだ。ウィーカンパニーに対する保有比率を高め、経営を立て直そうとしている。一方で米大手銀のJPモルガン・チェースも50億ドル規模の社債発行の支援策などを提案している。ブルームバーグによると、週末にもウィーカンパニーの経営陣が判断するとしている。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は関係者の話として、ウィーカンパニーがSBGによる追加出資と、JPモルガンによる社債発行の両者の支援策を組み合わせて受け入れる可能性もあるとしている。
さらに企業価値の低下を受け、9月に最高経営責任者(CEO)を退いたニューマン氏が、融資を受けている米銀からマージンコール(追加担保の差し入れ請求)を受ける恐れがあるとした。ニューマン氏は保有しているウィーカンパニー株を主な担保として銀行から融資を受けている。同社の企業価値の低下で担保の評価額が下がるため、保有する物件の売却などを迫られる可能性があるとしている。