今日紹介するのはトンボ鉛筆から「ホモ鉛筆」です。
今でこそ「MONO」ブランドですが、当時は「HOMO」ブランドです。
このホモ鉛筆は1952年発売の商品です。
当時国産鉛筆は5〜10円が相場の中、30円の定価で発売されたという日本初の高級鉛筆でした。
トンボの意気込みが伝わってくる商品なので詳しく紹介したいと思います。
このプラスチックのケースは自動射出成形機を使ったポリスチレン樹脂製だそうです。
当時としては画期的なものでした。
この紙、最初はこの向きで良いのか?と思いましたが、いろいろ見てみるとこの向きが正しいみたいです。
9H〜6Bの17硬度を誇る本格的な鉛筆です。
「写真修整用」 の表記が時代を感じさせます。
写真修整用の鉛筆に求められるのは芯が超微粒子として均質にできていることで、ホモは均質性にすぐれた鉛筆だったようです。
本体はこんな感じ。
三面に刻印があります。
ちょっと見にくいですが、一応個々の写真です。
胴軸は透明なラッカーで塗装されています。
これは使用している最高級インセンスシダーの木目を生かすためだそうです。
確かに木目も色合いも美しいですね。写真で上手く撮れないのが残念でなりません。。
今ではこういうのはあまり見ませんが、こんなのも良いですね。
ダースで買ったのはもったいなくて使えませんが、バラで買った物もあったので、書き味も試してみました。
書いてみるとこんな感じです。
色々と書き比べてみたのですが、現行のuniと比べても遜色ない書き味で、かなりの品質の高さを感じさせます。
消耗が少ない割にはしっとりと柔らかい書き味で、良いですね。
もっと柔らかい芯で書いてみたかったですが、デッドストックの鉛筆でHBが残っていただけでも感謝しなければいけないですかね。
こんな説明書が付属していたので、中身も紹介しようと思います。
挙げているブログやサイトが見当たらなかったので、レアかも(笑)
これが表側。
かなり薄い紙で出来ているので扱いに苦労します・・(汗)
裏側。
グラフを読むだけでも楽しいですね。
じっくりと読んでみて下さい。
付属していた消しゴムです。
多分天然ゴムの消しゴムで、説明書きにも消しゴムについての言及があります。
そしてSEED製です。
MONO消しゴムが出来たのは1969年のことでした。
コメント
コメント一覧 (8)
木目を活かすための美しい透明な塗装。シンプルで高級感漂う良いデザインです。
レトロなパッケージもワクワクします!!
トンボ鉛筆さんは天然ゴムの消しゴムまで付けちゃうのか〜。
そして、めちゃ詳しい説明書からも一つの商品に対する思いが伝わってきますね。
これを復刻してほしかったなぁ。
トンボ鉛筆渾身の!!!という感じの商品ですよね。
確かにこれは復刻してもらいたいです。。
カッコいいんですよね〜。
この鉛筆、また買おうかなと調べたらとっくに廃盤なんですね。
ちなみに濃さは”B"で、木軸のホルダーに入れた残りは60mmです。
最近はFaber-Castell9000 4Bをメモに使う程度ですが
Faber のねっとり柔らかい木質よりも、さくっとしたHOMOの方が
好みです。
さくさく削れる木質の鉛筆と言うと個人的にはぺんてるのブラックポリマー999が思い浮かんだのですが、あれも廃番ですね・・・。
残念です。
いくつ現存しているのか……
あ、反対です!9H〜6Bですね。
これはJISの規格の幅と同じで、三菱のハイユニなどはJIS規格を越えて製品を作っています。
9Hなど、極端に硬い物は用途も限られますし、出回っている本数は本当に限られているでしょうね…。
某オークションサイトでHB2本とH1ダースのHOMOを手に入れられました
間近で見ると汚れも見当たらず軸のしなりもほぼ無くて
すごく綺麗です、半世紀ぐらい前の代物とは思えませんね…
まだ使ってません 使うのが惜しい…3Hも有りましたがスルーしました
とても奇麗な鉛筆ですよね。
HOMO鉛筆ですが、先日こちらのものとは少しロゴなどが異なる物を入手しましたので、そのうちにまた紹介するつもりです。