レンチンして和えるだけ! とっても簡単かぼちゃサラダ

本日ご紹介するのは、料理店などでも出される「かぼちゃのサラダ」。かぼちゃをレンチンしてマヨネーズを和えるだけ、という簡単な料理ですが、この簡単なレシピにもおいしく料理をつくるための“理論”があります。

昔、僕が住んでいた町に定食屋さんがあって、そこの定番メニューの一つがこのかぼちゃサラダでした。なんでカボチャ?と思っていたのですが、自分で作ってみて納得。要領はポテトサラダと同じなのですが、カボチャはじゃがいもと違って潰す力もいらず、粘りも出ないので簡単なのです。

カボチャには甘みがあるので、マヨネーズだけで味がピタリと決まります。好みで黒胡椒をふりかけてください。


かぼちゃサラダ

材料(4人分)

かぼちゃ…350g〜380g(1/4個)
マヨネーズ…30g〜40g(好みで加減してください)


1.カボチャは一口大に切り、600wの電子レンジで5分30秒加熱する。そのまま2分ほど余熱で火を通す。この段階で皮の硬さをチェックし、硬いようであれば包丁で削る。(Tips 1 電子レンジ調理の基本)


2.カボチャが40℃まで冷めたら、ボウルにかぼちゃを移し、分量のマヨネーズを加え、混ぜ、器に盛り付ける。(Tips 2 粗熱をとってからマヨネーズを加える理由 )


★レシピの解説

【Tips 1】電子レンジ調理の基本

レンジ加熱をすれば水っぽくならずに火が通せます。栄養素が抜けることもありません。
その際、カボチャは一口大に切ってから、平らな皿に並べ、ふんわりとラップをかけてからレンジにかけましょう。ボウルで加熱すれば洗い物が減るのでは?と思うかもしれませんが、平らな皿に並べるのがレンジ調理の基本だからです。

以前にも説明したようにレンジはマイクロウェーブという電波で加熱します。ボウルに入れると外側は大丈夫なのですが、中心部にはマイクロウェーブが到達せず、加熱ムラが出てしまいます。そのため、ある程度の大きさに切ってから、均等に並べる必要があります。

レンジがなければ蒸し器を使ってもいいですし、茹でてもかまいません。その場合は加熱後に鍋に入れて、水分を飛ばすと、レンジ加熱と同様に水っぽくならない仕上がりになります。

【Tips 2】粗熱をとってからマヨネーズを加える理由

マヨネーズは油脂と卵が乳化したソースで、顕微鏡でのぞくと細かな油脂が分散した状態です。カボチャが熱いうちにマヨネーズで和えると、乳化が不安定になるので、油滴が大きくなってしまい、油っぽく感じる原因に。

かといって完全に冷めてしまうと今度はマヨネーズの味がカボチャに入りません。だから、粗熱をとってからマヨネーズを加えるのが基本なのです。このかぼちゃサラダが上手につくれればポテトサラダも同様につくることができます。


【アレンジ】りんごとレーズンが入ったカボチャサラダ

上記のカボチャサラダにりんご1/4個の薄切り(皮付きのまま4mm厚)とレーズン大さじ1(お湯で戻す)を大さじ1混ぜると、りんごの酸味と食感、レーズンの甘味が加わり、複雑な味になります。

料理には理論がある! 素材と工程の意味がわかれば、どんな料理でもつくれるように。

この連載について

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おいしい」をつくる料理の新常識

樋口直哉

食の博識、樋口直哉さん(Travelingfoodlab.)が、味噌汁、ハンバーグ、チャーハンなどの定番メニューを、家庭でいちばんおいしく作る方法を紹介します。どういう理由でおいしくなるのか、なぜこの工程が必要なのかを徹底的に紹介し、...もっと読む

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