▽18日 J1第29節 松本1ー1鹿島(サンプロアルウィン)
首位の鹿島が、敵地で松本と1ー1で引き分け。後半13分にFW上田綺世(21)のPKで追いついたものの、17位と低迷する相手から白星を奪いきれなかった。鹿島は勝ち点56。19日に試合を行う2位のFC東京との暫定勝ち点差は3となった。
“敗北感”を全身で受け止め、主将の内田がぺこりと頭を下げた。「歯がゆい。申し訳ない。全部、俺が悪い」。チームを引っ張るどころか、前半だけで屈辱的な交代を告げられた。情けない、ふがいない…。シーズン佳境のV戦線で勝ち続ける重みを知っているからこそ、誰よりも責任を感じていた。
まさかの失態だった。前半9分、松本の右CK。こぼれ球に即応した高橋のミドルシュートに反応できず、永井に右足ヒールで流し込まれた。先制被弾。相手に圧力をかけられず、守備ラインの押し上げも中途半端だった。試合開始からあっけなくミスの山を積み上げ、攻撃はノッキングの連続。首位を走る常勝軍団の姿は消えうせていた。
後半13分、自らが倒されて得たPKを現役大学生FW上田が沈めて、追い付いた。鹿島は息を吹き返し、一気呵成(かせい)に攻め立てた。それでも、あと一歩、届かない。上田は「優勝争いをする立場で引き分けは痛い」と苦々しく言った。
レオシルバ、セルジーニョ、三竿、犬飼…。主力は軒並み故障で離脱中ながら、「言い訳にはならない」と内田。気温14度。松本の夜空から降り注ぐ秋雨が肌を刺し、痛かった。