中日からドラフト2位で指名された橋本侑樹投手(21)=大商大=が指名から一夜明けた18日、母校の岐阜・大垣日大高を訪れ、阪口慶三監督(75)にプロ入りを報告した。
ドラフト会議からわずか半日、期待のドラフト2位左腕は岐阜にいた。「すぐに恩師の下へ行け」。大商大の富山監督に背を押され、午前7時に大阪を出発した橋本。4時間後、対面した大垣日大高の阪口監督に掛けられた言葉に背筋が伸びた。
「本当におめでとう。君は高校時代、一番の努力家だったし、根性があった。プロでも今の気持ちを持ってやればやれる。長くプロ野球選手であるために、毎日努力して、野球が好きでたまらない思いを持ち続けないとあかんよ」
ただ、体重の話題になったとき名将の顔色が変わった。「71キロです」と答えた教え子にすかさず「もうちょっと大きくせなあかんな。90キロとかと戦うんだから食べなあかん」とひと言。さらにこれからの日々にも注文を付けた。
「即戦力と見られているから、(開幕する)3月までにどれだけ練習するかが勝負になる。地元(福井県高浜町)の海辺を走ることだ。勝つか負けるかの勝負の世界。勝利投手になった連絡してこい。敗戦はいらん」
約30分間の対談中、ずっと背筋を伸ばして、うなずいていた橋本。「報告できてうれしいし、より一層頑張らないといけないという気持ちも湧いてきました。先発でも中継ぎでも抑えでも、1年目から1軍で活躍したい」。恩師の言葉を胸に刻み、プロの世界に飛び込む。