ラグビーW杯で史上初の8強入りした日本代表の戦いを、トップイーストリーグのセコムで分析を担当する野口英彰さんの協力を得て分析した。数字で振り返ると、日本代表は先行逃げ切り型。アイルランド戦を除き、いずれも前半リードで折り返して逃げ切っている。前半のボール支配率はスコットランド戦の74%を筆頭に平均60%。地域支配率でも前半は敵陣に押し込み、後半残り10分は自陣で守る傾向にある。野口さんは「ボールを支配している時間帯に効率よく得点を重ねている」と話す。注目したのはパスの回数だ。スコットランド戦、アイルランド戦はいずれも200回を超える。「ラグビーは後ろにパスをするため、パスが多ければいいというわけではない。200回もパスを重ねて前進できているのは、各選手の戦術への理解度が高く、意図的な攻撃をミスなくできている証拠。相当な練習量を積んできたことがわかる」
スコットランド戦はキックしたボールの再獲得率が75%と突出した。「日本の戦術がはまったのでしょう」と野口さん。この試合、日本の方が反則数が多く、ラインアウトも苦戦している。数字上は互角の戦いをしており、わずかな差が勝敗を分けたとみている。
アイルランド戦のタックル成功率93%に驚く野口さんは「フィジカルで押してくる南アにも粘り強いタックルで対抗してほしい。数字上は強豪と肩を並べている。いい試合になるはずだ」と予測した。