福岡県・若松ボートの開設67周年記念GI「全日本覇者決定戦」は17日、最終日の12Rで優勝戦が行われた。5号艇の吉田俊彦が痛恨のスリットオーバーとなる中、1号艇の峰竜太(34)=佐賀=がインから伸び返して先マイ。2マークで後続を突き放し逃げ切った。若松周年は初制覇、GIは通算10回目の優勝を飾った。2着は差した中村尊が確保し、木下翔太が3着に入った。
まさに完勝だった。峰は2日目ドリームに準優と今節2回のイン戦ですっきり逃げられていなかったが、最後はF艇も出た早いスリット合戦を、誰も寄せ付けない圧逃劇で締めくくった。手にした20号機の2連対率は28%しかないが、今節前に中間整備が入り、ペラも換わっていた。前検後には「抽選で今節は終わったと思ったけど、エンジンは別物になっている。良かった~」とホッと一息。初戦の前には新ペラもきっちり叩き終えて、いきなり機力は快調。「エンジンはもう大丈夫」とスイッチを入れた。3日目にはタッチSで生き残るなどツキも味方したが、圧巻だったのが予選ラストの4日目。「予選をトップ通過するために、1着を取りに行った」と狙い通りの差し切り勝ち。もう一段階ギアを上げて、自ら流れをたぐり寄せた。
すでにグランプリ出場は当確。視線はトライアル2ndへ向いているが、8月大村メモリアル準優Fのペナルティーで、ダービーとチャレンジカップの二つのSGを走ることができない。賞金を上積みするために「僕にはGIしかない。絶対に優勝する」と、強い気持ちを結果につなげた。これでGI通算10V。不思議と当地のビッグレースでは活躍が少なかったが、嫌なジンクスも打ち破った。「目の前のレースを、激しく格好良く走る。これからのGIも全部勝つつもりで行きます」。グランプリ連覇に向けて、最強レーサーの勢いは増すばかりだ。