プロ側が探し求めるホットコーナーを守れる右打ちの大砲。東邦高(愛知)の石川昂弥(18)は、多くの条件を満たす1位候補として、満を持してドラフトを迎える。「いよいよだな、迫ってきたなと思う」。本番まで1週間を切り、気持ちは高ぶりつつあるようだ。
積み上げた高校通算本塁打は55本。今春センバツではエース、主砲、主将として、同校の30年ぶりの優勝に大きく貢献した。さらに、8月末から韓国で開催されたU―18W杯では日本の4番を打ち、木製バットで1本塁打、打率3割3分3厘、チームトップタイの9打点と好成績を残した。広角に打てる長打力に加え、安定した三塁の守備も評価を高めている。
「センバツまでは何位でもいいから、プロになりたいという気持ちだった。でもU―18で、木製バットで結果を出せて自信になった。評価もしてもらえたと思う」。だから、今は堂々と言う。「外れでもいい。1位でプロに行きたい」。いの一番に名前が読み上げられることを願っている。プロ側の評価の指標となる調査書は、全12球団から届いた。各球団と面談し、中でも地元・中日からは4人のスカウトが訪れ、説明を受けた。
「評価していただいていると感じた」。12球団OKの姿勢だが、昨年の根尾と同様、中日とは小学時代にドラゴンズジュニアでプレーした縁もある。その行き先に、注目が集まる。(麻生和男)
▼石川昂弥(いしかわ・たかや) 2001(平成13)年6月22日生まれ、愛知県半田市出身の18歳。185センチ、87キロ、右投げ右打ち。小学2年からツースリー大府で野球を始め、中学時代は愛知知多ボーイズに所属。東邦高に入学後は1年春の県大会から背番号13でベンチ入りし、続く東海大会から背番号6。1年秋から三塁手のレギュラー。甲子園は2、3年のセンバツに出場し、今春は優勝。U―18W杯では高校日本代表の4番として活躍した。