2019-07-31

吹田市いじめ問題 発覚後の教育会議概要

吹田市いじめ問題とは

いじめから発覚まで

 小学5年の女児が、2015~2017年同級生男児からいじめを受け、骨折PTSDを負った。

 女児学校アンケートで「けられた。殴られた」と記していたが、担任事実確認しなかった。アンケートは紛失・破棄された。

 2017年3月女児保護者いじめ気づき学校訪問。前校長教育委員会に報告。保護者が市教委を訪問し、適切な対応要望

第三者委員会設置の経緯

 保護者は、2017年3月4月に市教委に第三者委の設置を求める。6月には市長第三者委の設置を求める内容証明郵便を送付。

 市長は、いじめ対策委員会が取り組みをしている旨報告を受けていると回答。

 市教委は、保護者から直接第三者委の設置を求められたのは7月だと説明

 7月21日、市教委は「子供たちの記憶が薄れている」ことを理由第三者委を立ち上げないとの認識を示す。しかし27日、教育委員から第三者委を設置するよう助言。

 8月第三者委の設置が決定。10月調査を開始。

 保護者コメント

 市教委の対応について「何度も足を運んだのに取り合ってもらえず、つらく悔しい思いをした。何のための組織なのかと思った」

参考:吹田市いじめに係る重大事調査委員会 調査報告書

https://www.city.suita.osaka.jp/home/soshiki/div-gakkyo/shido/_96428.html

問題発覚後の教育会議

 2019年7月28日の吹田市総合教育会議では、この問題を受けて対策が話し合われた。

 https://www.city.suita.osaka.jp/home/soshiki/div-gyoseikeiei/kikakuzaisei/_69280.html

 後日↑に議事録がアップされるだろう。

 全国規模のニュースになったことを受けてだろう、傍聴の定員は55名用意されていたが、傍聴希望は6名程度。後は報道市議会議員らしき人を合わせて6名程度だった。

 慣例としてそうなのか知らないが、公開の会議の前にメンバーが別室で非公開の会議をしており、公開の会議でどういったことを話すか事前に決めていたようだった。

会議概要

第三者委の7つの提言

 1. 被害者への支援

 2. 被害者のための学校体制の取り組み

 3. 学年全体への支援

 4. いじめ防止

 5. 組織体制見直し

 6. 専門家との関係強化

 7. 本提言実施確認

後藤市長

 対応の不備について、教育委員会行政市長)は明確に非を認めて謝罪した。

 構造的な課題がある。何が機能すれば事案の深刻化は防げたのか。教育を取り巻く環境の一部だけをいじめて終わらせてはいけない。対応が不備になった構造を市教委が明らかにしてもらわないとサポートできない。

 教員組織経営プロではない。行政組織経営プロから協力したい。

大谷委員(元バレーボール選手

 体罰問題がある中、指導者がチェックすることが重要ではないか

後藤市長

 担任が1人で、教室密室性がある。

安達委員弁護士

 今は子供遠足で転んだくらいで先生から電話が来る。先生が忙しそうだ。副担任を入れては。

教育官か次長

 市の学校教師大阪府が配置している。副担任が入る予定はない。

後藤市長

 昔ほどは先生への信頼がなく先生が萎縮する。事務も増える。それで目が届かない。

教育官か次長

 早期発見するためにマニュアルを用意したい。

後藤市長

 学校組織になってない。権限責任所在が明確ではない。教師フラットで、校長しか権限を持ってない。校長には全体を把握できない。リスクマネジメントができてない。

福田委員大阪大学 准教授

 多様性ある子供を1人の教師が見るのに無理があるのでは。クラス複数教師が入るべきでは。カメラを設置しては。

後藤市長

 教師にもレベル差があるだろう。資格は一度取ると剥奪されない。教員のチェック制度を厳しくすれば今回の問題は起きなかったのでは。

教育官?

 教員免許更新制度10年ごとにある。不適格と判断されたら研修もある。市としてそれを厳しくするのはできない。

和泉委員(浪工学理事長

 組織力が働いてなかったのでは。担任先生へのチェック・対応機能が弱い。副担任制はどうか。被害児童だけではなく加害児童ケア必要だ。

後藤市長

 教師校長の間に責任者がいれば違うのでは。

谷口委員歯科医

 今の大学講義は、学生が耐えられないため90→45分になっている。子供が変わってきている。

 小学校に入学して6ヶ月の子供の歯科検診をすると、クラスによって子供の態度が違う。先生によって差が出る。今回の問題学級崩壊みたいなものだと思う。人員を増やすことが必要では。

後藤市長

 子供の忍耐力が減ってるのは、昔は攻撃的なゲームスマホがなかった。

安達委員

 今は子供から先生へのいじめもある。生徒にアンケートを採っても先生評価ができるのか。

後藤市長

 今日出た課題をどこが解決するか。私は教育委員会を信頼している。教育委員会から答えを出してもらいたい。

 今までにもらった指摘の中で欠けているのは現場感覚子供が変わっているといった話を現場から返して貰いたい。

個人的感想

教育委員会問題が見逃されている

 今回の問題は大きく以下の2つだ。

 ・教師いじめの訴えを無視した

 ・市教委が第三者委の設置の要望無視した

 しか会議では学校をどう改善するかばかり話し合い、市教委をどう改善するかはまったく話していない。

 市長は「市長と市教委は謝罪した」と言っているが、謝罪しただけで済むならこんな会議必要ない。

市長のいうマネジメントでは解決しない

 市長は、学校フラットでまともな組織ではないから今回の問題が起きたといいたいようだ。しかし市教委はちゃんとしたピラミッド型の組織の筈だ。なのに第三者委の設置の要望無視した。ということは、学校ピラミッド型の組織にしても問題解決できることにはならない。

市長教育委員教育素人

 市長は当然ながら、教育委員一般人に言えるようなことしか言ってない。教育委員市長民間から任命する教育素人からだ。つまりこの場に教育プロはいない。空論になっている危うさがある。

市長と市教委の関係

 市長最後台詞からして、市長と市教委はズブズブの関係にあることが伺える。だから学校ばかりが改善対象になり、市長と市教委は改善対象にならない。

 現場感覚が欠けているというが、それならなぜ教師をこの場に呼ばなかったのか。教育官か次長は一応現場を知っている者ということだったが、市長質問に答えるだけで自由意見は述べていない。

  • anond:20190731160524

    アップありがとう。参考になった。 以下感想。 「副担任入れろ」→じゃあ教員数増やせ 「組織がなってない」→ 「教員のレベル差」→結果論でない信頼性ある資質の査定規準を示し...

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