ファン熱狂、根強い人気の『ドラクエ4コマ』 黎明期支えた石田和明氏が当時を語る
1990年に発行された『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場』は絶大な人気を誇り、「月刊少年ガンガン」刊行にもつながりました。『ドラクエ4コマ』黎明期を支えた人気作家・石田和明先生に、当時の思い出を聞きました。
「月刊少年ガンガン」創刊につながる、伝説のマンガシリーズ
人気RPG『ドラゴンクエスト』を題材とし、複数の漫画家による4コママンガを収録した『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場(以下、ドラクエ4コマ)』は、1990年4月にエニックス(現:スクウェア・エニックス)から第1巻が発行されました。その人気から『ドラクエ4コマ』はシリーズ化され、「月刊少年ガンガン」刊行にもつながります。
のちに『ドラゴンクエスト』だけでなく、さまざまなゲームの『4コママンガ劇場』が発行されました。「アンソロジーコミック」の先駆けともなった『ドラクエ4コマ』の黎明期を支えた作家陣のひとり、石田和明先生に当時の思い出を聞きました。
ーー石田先生が『ドラクエ4コマ』の第1巻に参加されたきっかけを教えて下さい。
知人のつてでエニックス出版局(編集部注:当時のエニックスの出版部門)の編集者を紹介されて、「エニックス主催のマンガ賞に応募してみないか」と言われました。賞は取れなかったのですが、『ドラクエ4コマ』の企画で描いてみないかと、声をかけていただいたのがきっかけです。
ーー石田先生といえば『ドラクエIII』の女魔法使いや女武闘家が人気です。ご自身のネタで、印象深いものを教えて下さい。
やはり、読者からの反響が大きかった「バラモスをカバと勘違いする」ネタと、「女魔法使いがぬいぐるみでドラゴラムする」ネタです。
ーー『ドラクエ4コマ』は雑誌や攻略本くらいしか情報源がなかった当時の子供たちに、大きな影響を与えました。
ありがたいことです。ネットで、『ドラクエIV』の女勇者が僕のせいで「ブロッコリー」と呼ばれているのを最近になってから知りました(笑)。
ーーどのネタが影響したのでしょうか?
アリーナが食事中に、ブロッコリーと女勇者の髪型を見比べてしまうというネタです。