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ラグビー日本代表 VS 南アフリカ がなぜ感動するのか【にわかラグビーファン、ブライトンの奇跡を語る】

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皆様こんにちは。

 

株の事はまあ置いておいて(おい!)、、、今ラグビー日本代表の大躍進が話題になっていますね。

 

最近ネット上でよく【ルールはよく分からないけど感動する】というお茶の間のコメントを目にします。

 

わたしは何を隠そう、生まれてこのかたラグビーボールに触れた事すらないテンプレが服着て歩いている正真正銘のにわかラグビーファンなので、多くは語れませんが、全くもって同じ意見です。今回のW杯でかなりラグビーファンの裾野が広がったのではないでしょうか。

 

ところで、W杯でのジャパンの快進撃をみると、前回大会での南アフリカとの死闘の記憶が蘇るのは私だけでしょうか?

 

2015年 9月19日 英国 W杯 グループリーグ第1戦、日本 VS 南アフリカ

 

ラグビー史上最大の番狂わせは何?と言われれば、この試合を挙げるファンも多いと思います。Google先生【Rugby Upsets】と聞けば分かりますが、日本のラグビーファンだけでは無く、世界認識も同様と言っても過言ではない、それだけ衝撃的な1戦でした。

 

因みにアメリカの大手メディア FOX SPORTSが選んだラグビーW杯史上最大の番狂わせランキングでは1位に選ばれています。

www.foxsports.com.au

 

なぜ、史上最大の番狂わせ、と称されるのか、当時よく分かっていませんでした。知っていたことは【ジャパンはまじで弱い】【南アフリカはむっちゃ強い】【ルールは分からんがとにかく熱い】【南アフリカブタゴリラみたいな名前の選手がいる】程度でした。それだけの予備知識でもジャパンの勝利はものすごいことだと当時思い感動しましたが。。

  

なぜ世界中のラグビーファンの心をとらえたのか、感動を呼んだのか。その【ポイント】を知っている/知らないではあの1戦も、20日に行われるラグビー決勝トーナメント、南アフリカ戦での見方も変わってくると思います。

 

そんなわけで、最近ドラクエウォークにハマっているにわかラグビーファンですが、ジャパンVS南アフリカ戦の感動ポイントを少し深く掘り下げて書いていきたいと思います。純度100%のにわかなファンなので、薄っぺらいと思いますが、生暖かい目で見守っていただけると幸いです。

 

まずは、感動ポイントを語る前に前提について理解して頂ければと思います。

 

 

 

前提1:ラグビーは実力差が如実に出るスポーツ。

 

ラグビーの最大の特徴と言えば前にパスが出せない。という点により、偶発的に点を取ることが非常に困難です。

 

ボールを運ぶための1つ1つのプロセスが得点/失点へ直結してしまう、ボールを落とす等のミスやファールが命取りな綱渡り状態の戦い方を強いられます。

 

攻守の入れ替えも激しく、サッカーで言えばオールコートの常時カウンターアタック状態で、アジリティやテクニックだけでは無く、スタミナやボディーコンタクト等肉体的強度も必要なってくる、ミスが少ない等、総合的な強さが必要になってきます。結果、前評判通りの結果になる事が多い、という番狂わせが少ないスポーツとの認識があります。

 

因みに、サッカーで調べてみると、W杯最多優勝5回数(単独トップ)を誇るブラジル代表の勝率を見てみると

 

通算成績

勝率57% 612勝197分154敗(2088得点868失点)

 

W杯通算成績

勝率 49% 73勝18分18敗(229得点105失点)

 

出典:ブラジル代表の試合結果・通算成績 | FIFAランキング.net

 

通算成績であれば勝率は約57%で何とか五分五分、W杯に至っては2回に1回は負けるか引き分けていますサッカーブラジル代表はめちゃくちゃ強い印象ですが、強いチームであってもそれだけ番狂わせもあり得るという事だと思います。

 

他方で最強との呼び声も高いラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)の勝率を見てみましょう。NZ代表は熱狂的なファンも多く、公式HPもあります。なになに、、、

 

1903年から2017年までのテストマッチ566回で勝率77.21%を弾き出したオールブラックスは男子ラグビー史上最強の全国代表チームです。

 出典:https://jp.allblacks.com/teams/all-blacks/

 

・・・おいおい、いきなり冒頭からものすごい数値をどや顔で誇示してきます。しかも史上最強って自称しちゃっています。勝率が8割近いって、ちょっと異常じゃないでしょうか。

 

とにかく、番狂わせは多くは無い事は少しでも理解頂けると思います。

 

 

前提2:ジャパンはW杯で1勝しか挙げたことがなかった。

 

今までのジャパンのW杯は、とにかく予選全4戦中、2勝すること。これが最大の目標でした。目標というだけで、その2勝だって、ほんとに勝てるの?という皮算用な状態です。

 

2勝を挙げるため、今回で対戦したティア1(ラグビー上位国のカテゴリ)のアイルランドや、スコットランド等、強豪国相手との対戦は控え選手を出し、文字通り試合を捨てる作戦を選び、ティア2(中位国のカテゴリ)等なんとか勝てそうな試合に集中する。2勝を挙げれば、予選免除で次回W杯の自動出場権を得れるからです。

 

そんなプライドをも捨てた戦法でもW杯の対戦成績は2015年イングランド大会まで1勝21敗2分、1991年のジンバブエ相手のたった1勝だけ今まで散々な状態でした。

 

前提3:ティア1とティア2の戦力差は歴然。ティア1の中でもニュージーランド(オールブラックス)と南アフリカ(スプリングボクス)は別次元で強い。

 

国際大会でも成績を残しておらず、実力が劣るティア2に所属するチームが、ベスト8に進んだのは12年ぶり(07年大会のフィジー)、全勝で予選を突破したのは1987年から始まるW杯史上初のことだそうです。ジャパンはそのティア2に属しています。

 

ティア1/ティア2とは?

 ティア1:神~上位国。強豪国(伝統国とも) f:id:sucasamicasa:20191016185300p:plain

 

ティア2:中堅国

f:id:sucasamicasa:20191016185321p:plain

ティア1と2のW杯成績を見てわかるともいますが、過去のW杯での成績では大きく水をあけられています。

 

日本は今回の大会で初のベスト8進出&世界ランキングを7位まで上げており、ランキングで見れば、ティア1下位国と遜色が無いように見えますが、過去の国際大会や、テストマッチではティア1下位国でも善戦するが勝てない、死体蹴りのような大量得点で負ける、という塩試合を繰り返しています。というか、ジャパンはティア2でも上位国には結構負けていますし、順位では語れない程の壁がティア1と2にはあります。

 

ジャパンの対ティア1国との対戦成績を調べました。

 

日本協会が1930年9月から認定するキャップ対象試合で、日本代表はティア1(伝統上位国・地域)と呼ばれるアイルランドなどの強豪国とは90戦してここまで白星は6度しかない。勝率は約6・7%で、15年W杯以降は1勝1分け11敗。ジョセフHC就任後の16年11月以降は、1勝1分け9敗で、17年11月に敵地でW杯準優勝3度のフランスに23―23で引き分け、18年6月にホームで日本より世界ランクが低いイタリアに34〇17の1勝となっている。

 

hochi.news

 

長い歴史の中でたった6回しか勝てていません。今大会のアイルランドスコットランド戦を含めると8回になりますが。。

 

勝利国でみると、

アイルランド:今大会

ウェールズ:2013年

南アフリカ:2015年

スコットランド:1989年と今大会

アルゼンチン:2014年

イタリア:2014/2018年

 

と2010年代に入り、ぽつぽつ勝てるようになってきた。つまり近年までずーーーーーーと絶賛暗黒期中であったことがお分かりいただけると思います。

 

補足ですが、ティア2以下のカテゴリもありますが、W杯出場国はこの2つのカテゴリを軸に争われます。

 

そんな上位カテゴリ、ティア1でも別次元の実力を持つ国、それが上述したNZ代表ですが、ラグビーを知らない方でもオールブラックス、という言葉を知っている方も少なくは無いと思います。ハカとかね、カッコいいですよね(感想)。

 

過去W杯優勝3回を誇り、テストマッチで全ての対戦相手に勝ち越している唯一のチームです。これまでに行われた試合の約4分の3の試合に勝っており、その勝率はサッカーのブラジル代表を上回るという化け物チームです。

 

ja.wikipedia.org

 

 因みに1995年W杯では、NZは17-145というスコアでジャパンをギッタギッタのメッタメタに完膚なきまでにオーバーキルしています。145点て。。

 

そんな最強格のNZに後塵を拝していますが、めちゃくちゃ強い、と言われている国、それが南アフリカです。W杯ではNZ代表に次ぐ2回優勝を誇り、オーストラリアとタイです。

 

そして、世界最強のオールブラックスとの対戦成績で唯一イーブンに肉薄しているチームでもあります。

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NZの対戦成績を見ると、勝率が唯一5分に近いのが、南アフリカの59.60%です。ティア1のウェールズや先日対戦したアイルランドですらNZ代表に今まで歴史上たったの2回しか勝った事がありません。

 

じゃあ日本とNZや南アフリカとの対戦成績はさぞかし悲惨なスコアだろう、と思われるかもしれませんが、NZとは4戦しかしておらず(結果はお察し)、南アフリカとはなんと2015年でのW杯での対戦が初めてでした。つまり、弱すぎて対戦すらさせてもらえないような扱いだったというわけです。

 

ラグビーというスポーツは番狂わせが少なく、またティア1の国でもNZと南アフリカは別格で有る事はお分かりいただけたと思います。その前提を元に、当時の試合を振り返ってみたいと思います。

 

 

ポイント1:世界最強のチームを動揺させた

 

ジャパンは南アフリカに突き放されても追いつく、シーソーゲームの展開を演じていました。後半で自力の差が出てくるのですが、当時はジャパンは集中しており、頼もしく、【これもしかして勝てるんじゃ・・】なんて雰囲気すらありました。

 

そして後半28分、五郎丸選手のトライ&コンバージョン(5点+3点)で南アフリカ29対29と追いつき、まじかよ!波乱が起こるのでは!?というあり得ない状況になりました。

 

しかし、その期待は32分に打ち砕かれます。ジャパンは手痛いペナルティーを犯してしまいます。残り時間は7分を切っていました。これを決められると逆転するのは厳しい時間です。ましてや相手はラスボスの南アフリカです。正直終わった、と思いました。

 

ここで、南アフリカが選んだのは、トライ(5点)を目指すのではなく、安牌のショット、つまりペナルティーゴール(3点)を選びました。

 

常勝軍団にしてみれば、戦略的にゲームを運ぶ選択は当然のことかもしれません。しかし、圧倒的な戦力差があると思われていた南アフリカの安牌な選択はスタジアムに詰めかけたファンから大ブーイングを受けます。なぜ、強者らしく振舞わないのか?と言わんばかりです。

 

素人的観点ですが、南アフリカはかなり動揺していたと思います。楽に勝てると思っていた相手が終盤まで食い下がってきたのですから。

 

もし、トライを選択していれば、ボールをキープしてそもそものジャパンの反撃も潰せたかもしれません。以降プレーの流れも、ファンの声援もジャパンへ風向きが大きく変わりました。

 

ポイント2:世界最強のチーム相手に勝ちにいった

 

29体32、南アフリカ2点リード。ロスタイムまで残り1分を残したところで、南アフリカはジャパンのモールを中心とした波状攻撃にしびれを切らし、ペナルティ(意図的との見方が強い)を受けます。

 

ja.wikipedia.org

 

“引き分けもできるんだぞ”

 

といわんばかりの選択肢をジャパンへ与えたように見えました。そしてプレーが切れている間にロスタイムに入りました。もう、ラストワンプレーです。

 

ペナルティーゴール(3点)を選べば同点に追いつけます。また残り時間を考えるとそのままノーサイド、引き分けも視野に入るはずです。距離的にも五郎丸選手ならペナルティーゴールを決められたと思います。

 

ティア1でも最強格の南アフリカと引き分ける事ができれば、グループリーグ突破に弾みもつくはずです。大健闘です。

 

 

 

しかし、ジャパンは、引き分けという選択肢を捨て、正面から屈強な南アフリカFWとぶつかる、スクラムを組む、トライを目指し勝ちに行く、という事を選びました。南アフリカは似たようなシチュエーションで安牌なショットを選びブーイングを受けました。

 

ジャパンは引き分けを捨てた、あの南アフリカに勝つ気でいるんだ。もうこのシーンは涙無くしては観れません。

 

今までW杯で1度しか勝てず(ジンバブエ)、ティア1のチームにボコボコにされていた弱小チームが世界最強のチームにW杯という晴れ舞台でシーソーゲームを繰り広げ、引き分けに持ち込めるだけでも、というか終盤まで食らいつけたことだけでも日本の今までのラグビーの歴史を考えれば、号外が出るレベルだったでしょうし、世界のラグビーファンにとってもそれはもうナニコレコワイ、戦慄を覚える出来事であったはずです。

 

絶対的な実力と実績、対格差、そして修羅場をくぐってきた経験値、ティア1の中でもラスボスのような存在の南アフリカとティア2のジャパンはあらゆる面で差がありました。ティア2のジャパンがよく頑張ったよ。そういう雰囲気だったはずです。

 

自ら退路を断ち、弱小チームが強大な敵に正面から立ち向かう、この漫画やドラマのような構図がファンの心を揺れ動かし、観客を味方につけジャパンコールが巻き起こりました。

 

 

ポイント3:ラストワンプレーでの逆転トライ

 

ラグビーは40分ハーフ計80分、ロスタイムはプレーが切れたらノーサイド(フルタイム)、試合終了になります。

 

40分を過ぎてプレーが続いている場合は、得点、ペナルティ(スクラム/フリーキック)、ボールがタッチラインから外に出るなどによってプレーが止まると同時に笛が吹かれてノーサイドとなる

 

出典:ロスタイム - Wikipedia

 

 

サッカーで言えばアディッショナルタイムとも言いますが、違う点と言えば、例えば3分間のロスタイムが有れば、3分経過後に、レフリーが流れを読みつつプレー切って試合終了になります。しかし、ラグビーは、ワンプレーが続く限りは試合終了にはなりません。

 

上述の通り、ジャパンは引き分けを捨て、勝つか負けるか、正面から南アフリカに立ち向かう事を選びました。

 

その決断から逆転トライまでずっとジャパンがずーーーーとミスすることなく、最強南アフリカからボールを奪われることなく攻め続けた、という事を意味します。

 

プレーが途切れてしまった時点でジャパンの負けが確定するというラストワンプレーの状態、ボールを奪われても負け、ジャパン側もミスしても負け、ファールをしても、、、という背水の陣の状態でノーミスで攻め続けた末に奪った劇的な逆転トライでした。素人でも尋常では無い事だということは理解できます。

 

ラグビーは前提でも述べた通り、攻防が連続して続きます。自軍で先ずパス回しをしてビルドアップして、、と緩急と時間を使うタイミングはペナルティーゴール(PG)やラインアウトスクラムを組む等リスタート以外極めて少なく、兎に角相手陣地へボールを進めるため、前進し続けます。

 

相手チームからの当たりも激しさを増し接触プレーの連続で流血もあります。それでもジャパンの選手は倒れても立ち上がり、波状攻撃を続けました。

 

残り時間1分半でPGを選ばず、トライを目指した。そして、ロスタイム、ラストワンプレーで必死に繋いで、繋いだ結果のトライであったという奇跡のようなドラマがありました。

 

 

 

 

南アフリカへの勝利はただ単に【強いチームに勝った】という一言では説明できない程、ドラマがありました。そして、日出ずる国、ジャパンが長い暗黒期から遂に日の目を見せるときがきた、そんな長年のラグビーファンに希望を与える試合だったのだと思います。

 

2019年10月20、4年の時を経て、ジャパンは再度南アフリカと対戦します。今度はどんなドラマが待ち受けているのか楽しみです。ラグビーを観たことが無い方もぜひ観てみてください。

 

  

ラグビーの基本事項について知りたい方は下のサイトが分かり易かったです。

rugby.sanix.jp