サイン盗み疑惑を巡り、リーグ優勝決定シリーズ(LCS)を戦っているヤンキースとアストロズがつばぜり合いを繰り広げている。ヤンキースナインは、アストロズが口笛で盗んだサインを伝達していると不信感をにじませた。16日の米放送局SNY(電子版)が報じた。
「ヤンキースの選手たちはLCS第1戦で憤っていた。アストロズのダッグアウトで口笛を吹く音に気付いたからだ。これは限度を超えたサイン盗みだとヤンキースは信じている」。さらに「3人の関係者によれば、ヤンキースのコーチが、特定の球種で相手ベンチから口笛が吹かれていると察知した。ヤンキースの面々はアストロズベンチに向かって怒鳴り、両軍の怒鳴り合いに発展。お互いが怒り心頭だった」と報じた。
かねて、アストロズは球団職員を観客席に配置し、相手ベンチ内の撮影などでサイン盗みをしていると一部で報じられてきた。これを危惧してか、今シリーズのヤンキースバッテリーは、走者が二塁にいなくても複雑なサイン交換をする場面も見受けられる。
他にも、アストロズはブレグマンらがヤンキースのパクストンやセベリーノの投球の癖を見抜き、球種を分かっていたとも伝えられてきた。だが、ヒンチ監督は16日、「笑止だ。投球の癖を見抜かれたくなければ、癖をなくせばいい」と一蹴し、「パラノイア(被害妄想)は存在する。その存在は、全30球団にまん延している」と評した。
ただし、両軍ベンチがののしり合ったという第1戦は、田中が6イニング無失点と快投。米放送局NBCスポーツ(電子版)は「たとえサイン盗みしていたとしても、田中はあまり気にしていなかったようだ」と報じた。