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【サッカー】

完全アウェーでも慌てない森保ジャパン 前半駄目でも選手間トークで後半修正の成熟ぶり

2019年10月17日 紙面から

タジキスタン戦の後半、先制ゴールを決める南野(左手前)=ドゥシャンベで(共同)

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 【ドゥシャンベ(タジキスタン)松落大樹】7大会連続のW杯出場を目指すサッカー日本代表は、当地での敵地・タジキスタン戦(15日)に臨み3-0で勝利。2次予選3連勝でF組首位に立った。立ち上がりから出足の鋭いタジキスタンを相手に前半は互いにスコアレス。だが、後半にMF南野拓実(24)=ザルツブルク=が2得点。終盤にはFW浅野拓磨(24)=パルチザン=が加点した。完全アウェーの雰囲気で勝ちきった裏には、90分間トータルで考えられる落ち着きぶりがあった。

 タジキスタンは日本を飲み込むような勢いで立ち向かってきた。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングでは格下だが、みっちりと合宿をしてきたこともあり、長距離移動をしてきた日本とのコンディションの差は明白で、不慣れな人工芝への適応に苦しむ日本に襲いかかった。

 決定機がありながらもスコアレスで終わった前半。MF柴崎は「ちょっと嫌な感じを個人的には受けていた」。決定機はつくるも、1トップに入った鎌田とMF南野の役割がかみ合わずに得点は生まれずじまい。それでもDF吉田は冷静に「アジアでは良くあるが、その強度は続かない。後半仕留められれば」。焦る必要はない。90分トータルで勝負どころをしっかりと見極めた。

 ハーフタイムのロッカールームでも慌てた空気はなかった。森保監督は不在のFW大迫勇也(ブレーメン)の代役として「今チャレンジするべきこと」と鎌田を1トップで起用。だがむしろトップ下の適性を強く認め、鎌田と南野が後半からポジションチェンジすると話し合っていることを「聞いて聞かぬふりをした」と苦笑いで認めた。選手の自主性を重んじ、多くの可能性を探る指揮官のスタイルが表れていた。

 臨機応変な戦いぶりに、チームの成熟さが見える。それでも指揮官は南野の1トップ起用を例に「最終予選、世界を考えた時に、拓実(南野)にとってもいいのかとも考える。日本の武器としてどう使うのがいいのか」とさらなる進化の可能性を探る。勝利と成長を求める作業に終わりはない。

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