NPBのドラフト会議が17日に行われる。関東以北でプロ志望届を提出した選手は、高校・大学生合わせて114人。ここ数年、全国大会でも上位進出が目立つ関東5連盟からも27人が名乗りを上げた。関甲新学生リーグの白鴎大から指名を待つのは、快足の金子莉久外野手(4年・国学院栃木)、高校時代から注目の大下誠一郎外野手(4年・白鴎大足利)、父がプロサッカー選手で主将のラミレス・レンソ選手(4年・文星芸大付)の3人。栃木で力をつけた三羽がらすならぬ“三羽鴎(かもめ)”に注目だ。 (小原栄二)
北九州でやんちゃだった中学生はリーグを代表する強打者に成長した。白鴎大足利高時代からプロ注目だった大下は、1年春からレギュラーで今季は3番。パワーに磨きがかかり、精神的にも成長。2年で主将になり、今年は選手会長だ。「バットを振り込んできた自信はある。どこに投げてきても打ってやるけん、いらっしゃいぐらいの気持ちで打席に立っている」と九州弁も交えて言い切った。
親孝行がしたい。高校3年のときに、北九州市に住む父親が脳内出血で倒れた。後遺症もあり、今も不自由な生活をしている。妹が2人いるが「自分が支えないといけない」と力を込める。うまくいかなくなって野球を放り出しそうになったとき、再び奮い立たせてくれたのも父だった。「懸命にリハビリするおやじの姿を見て、俺がやるしかないと思った。自分は(一般企業の会社員になって)デスクに座れるタイプじゃない。自分には野球しかない」
自分の将来像を日本ハムの中田翔外野手に重ね合わせる。「グレていたことがあってもできるのを見せたい。(中田さんも)やんちゃだったみたいで自分と一緒かなと思う。超えるような選手になりたい」。故郷を離れて栃木に出てきて7年目。野球があったから道を誤らずに済んだと示してみせる。
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