極東ロシアのサハ共和国。掘り出されたばかりの宝石を選別中、採掘企業アルロサの専門家たちは、それまで見たことのないものに出くわした。ダイヤモンドの中に、小さなダイヤモンドが閉じ込められていたのだ。ロシアの入れ子人形にちなんで、マトリョーシカ・ダイヤモンドと呼ばれている。
アルロサ社は10月4日、この発見について公表した。それによると、全体の重さはわずか0.124グラムで、外側のダイヤの幅は米粒の長さとほぼ同じ5ミリ弱だという。
ダイヤモンドはしばしば、珍しい鉱物やその元になった流動体の痕跡を封じ込めるタイムカプセルのような役割を果たす。しかし、ちっぽけなダイヤが、さらに別のダイヤの中に自然に収まってカタカタ動いているという発見は、研究者たちをあっと言わせた。(参考記事:「隕石中のダイヤモンド、原始太陽系の残骸だった」)
「こんなものは、それまでまったく見たことがありませんでした」。カナダ、アルバータ大学の鉱物学者トマス・スタヘル氏は、ダイヤの中で別のダイヤが音を立てている動画を見たときのリアクションをこう話した。「ダイヤモンドを研究して長くなりますが初めての遭遇です」
2つのダイヤが不思議な構造をとるに至った経緯は、正確にはわかっていない。米国宝石学会(GIA)がこの小さな宝石を詳しく調べる計画を進めており、うまくいけば地下数千メートルの深さでひっそりと進んだメカニズムが見えてくる可能性がある。
「まさに類まれな自然の創造物です」とアルロサ社の研究開発地質事業でイノベーション担当副ディレクターを務めるオレグ・コワルチュク氏は話す。