・就職活動ではTOEICのスコアが足切りに使われる
・TOEICで800点以上ないと大企業には入れない
このような情報を今日では耳にするようになりました。
しかし、実際に各企業などは採用時に必要とするTOEICの正確な点数は公開していません。
そこで、
・TOEICでどれくらいの点数があれば足切りを避けることができる?
・人気の大企業を目指すにはどれくらいの点数が最低限必要?
本記事では、そんな疑問や不安を抱えている就職活動を控えた大学生の方に向けて「新卒採用時に求められるTOEIC LR試験の点数」をご紹介します。
最初に結論を述べると、一般的な就職活動には650点、人気企業を目指すならば750点のスコアが最低限必要です。
以下、その理由をいくつかのデータと共に説明していきます。
記事の最後には、就職活動に向けてTOEICの点数をあげる必要がある皆さんに向け、効率的な学習方法を紹介しています。
ぜひ一読ください!
- 就職活動において「TOEICスコア」は必須
- 人気企業では「更に高いTOEICスコア」が必要
- トップ企業では「TOEIC900点+スピーキング力」が必要
(おまけ)某大手人材会社の元社員が語る、新卒採用での「学歴・英語力フィルター」 - TOEIC LR試験を受験しよう!その最短勉強法とは
- 英語力を上げて就活を成功させた学生たち
- TOEIC LR試験の点数を上げる必要がある方へ
就職活動において「TOEICスコア」はもはや必須
「TOEIC L&R試験の点数が就活で必須である」ことは、皆さんもよく耳にするのではないでしょうか。
就職活動を終えたサークルやゼミの先輩が「TOEICの点はとっておいた方がいいよ」と後輩にアドバイスしたり、OB訪問で先輩社員が「学生時代に英語は勉強しておくべきだよ」と言ったりするのはよくある話です。
TOEICの運営団体であるETSが「上場企業を対象に行った2013年の調査」によると、約7割の日本企業が採用時にTOEICの点数を参考にしていると回答しています。
引用
「上場企業における英語活用実態調査2013年」報告書
また、入社時に期待する「平均のスコア」として2013年時点で565点という結果が出ています。
人気企業では「更に高いTOEICスコア」が必要
企業が「採用時の基準となるTOEICの点数」を公表することは、あまりありません。
例えばネット上で「TOEIC 850点が足切り」と噂されている某国際通信会社のセミナーでは、採用担当の社員が「TOEICを選考の軸にはしていません」とわざわざアナウンスする場面もありました。
しかし、これはあくまでも建前に過ぎません。
- 企業の名前が伏せられた調査では2013年時点で約7割が「英語力を参考にしている」と回答している
- 多くの企業のグローバル化が進んでいる中で「意思疎通ができない人間」を優先的に採用する理由は全くない
- 人気企業においては、数十〜数百倍といった競争率も珍しくない。
同じような「学歴・インターン経験・留学経験」を持つ学生が集まった時に、企業は「英語力」に注目する。
数ある資格の中でも「英語力」はどの業種でも優先度が高いため、TOIECは有用である
以下の表は、筆者が該当企業の内定者・社員・現在確認可能なソースによって「企業の求めるTOEIC LR試験の点数」を収集したものです。
人気企業(英語を頻繁に使う部門や外資は除く)を志望するのであれば、700点台中盤の点数があればいいことがわかります。
企業の求めるTOEICの点数(企業名 基準点 備考の順番で記述)
- ANA 600点入社時
- 日本IBM 600点 入社時
- JICA 640点 グローバル人材育成プログラム(インターン)
- ユニリーバ 720点 新卒採用募集要項
- 日産 730点 新卒採用「皆さんに期待する英語レベル」
- 武田薬品工業 730点 新卒採用
- アビームコンサルティング 730点 入社時
- 東京海上日動 730点 TOKIO MARINE Premium Seminar(2DAYS) /グローバルビジネス編
- GE Healthcare 740点 EEDP・OMLP部門(理系)
- 楽天 800点 入社時
- UBS証券 800点 In-House Environment Program Part Time
- 日本IBM 800点 マーケットデベロップメント部門(インターン)
- GE Corporate 860点 FMP (Financial Management Program)
- 野村ホールディングス 860点 グローバル型社員
- 三菱東京UFJ銀行 900点 グローバルCIB
トップ企業では「TOEIC900点+スピーキング力」が必要
「人気企業の内定を勝ち取るために、こんなに高得点が求められるのか」と驚いた人もいるでしょう。
しかし外資系企業や大手総合商社などの「トップ企業の内定を勝ち取る層」からすれば、TOEIC800点ですら「必要最低限”以下”の英語力」です。
外資就活ドットコムの2017年の調査によると、トップ企業内定者のTOEIC LR試験の平均点数は900点レベルです。
引用元
外資就活|9割越えは当たり前!?外資系・日系トップ企業内定者たちの英語力
国内トップクラスのメーカーに就職予定の友人は、TOEIC900点クラス(英語圏に1年間留学)にも関わらず「内定者の中では英語はできない方」だと証言していました。
別の国内トップクラスのメーカー内定者で海外部門を希望した別の知人は「事前告知無しで配属面談が英語になった」そうです。
また、近年の企業のグローバル化に伴って「英語を話す力(スピーキング能力)を重視する動き」はさらに強まってきています。
TOEICの運営団体であるETSによる2013年の調査では、多くの企業が「今後TOEICスコア以外に、スピーキング・ライティング能力を昇進・昇格の参考にする可能性がある」と回答しています。
上場企業の半数以上が「スピーキング・ライティング能力を昇進・昇格の参考にしている・する可能性がある」と回答。
(引用元:「上場企業における英語活用実態調査2013年」報告書)
外資系企業、大手総合商社といったトップ企業の内定を勝ち取りたいと考えるのであれば、TOEIC対策だけでなく「英語の4技能(聞く、話す、読む、書く)すべての底上げ」が必要です。
某大手人材会社の元社員が語る「新卒採用での学歴・英語力フィルター」
5大総合商社の新卒採用で「学歴フィルター」が存在するというのは、よく耳にする話ではないでしょうか。
企業側が公開してはいないものの、就職活動での「学歴フィルター」は確実に存在します。
また、それと同様に「英語力フィルター」も存在します。
英語力フィルターとはその名の通り、学生を学歴だけではなく英語力を基準に評価するものです。
例えば「大手日系企業の内定」を勝ち取るために必要な英語力は、大学によって以下のように変わってきます。
- 国立上位、早慶上智レベルの大学……TOEIC600点
- MARCH・関関同立レベルの大学……TOEIC700点
- 日東駒専・産近甲龍・大東亜帝国レベルの大学……TOEIC800点
大手日系企業の内定を勝ち取るために必要なTOEICスコアは、大学のレベルによって「100点」変わってくることが分かります。
さらに入社が難しいと言われる「専門商社」や「外資系メーカー・外資IT」になれば、より高いTOEICスコアが求められます。
これがまさに「学歴フィルター」と「英語力フィルター」です。
もちろん「海外・国内インターン経験」「交換留学経験」「プログラミングスキル」といった経験やスキルがあることで、1つ上のレベルの学生と同じ土俵で就活ができる学生もいます。
しかし「あまり学歴に自信がない」「英語力もない」「履歴書に書けるスキル・経験もない」という状態で就活に望むのは、すっ裸で戦場に飛び込むのと同じです。
英語力は、就職活動においてあなたの武器になります。
TOEIC LR試験対策をしましょう。
TOEIC LR試験を受験しよう! その最短勉強法とは
ここまで危機感を煽っておきながら、筆者は必ずしも「TOEICが正確な英語力の指標になる」とは思っていません。
また英語力が就職活動にとって、また実際に仕事をするにあたって「最も大事な要素」だとも考えていません。
しかし以下の2点から「TOEIC LR試験を受験する価値はある」と断言できます。
- TOEICの勉強は、英語力を高める上で必ずプラスになる
- 英語力に限らず「自分の能力や努力」を定量的に示す姿勢は、他者に評価してもらう上で重要になる
上記の価値があるからこそ、自分の人生で最も「自分の将来」について考える就職活動の準備期間にTOEICスコアという努力の結果を残すことをオススメします。
目標とするTOEICスコアを獲得するための「最短勉強法」に関する記事をまとめました。
記事に書いてある勉強法を参考にして「就活を勝ち抜くための強い武器」を手に入れてください。
(補足)TOEIC LR試験の点数とスピーキング能力は比例関係
TOEIC LR試験対策だけしていても「英語を話す能力」は向上しません。TOEIC試験対策に加えて「スピーキング対策」を行うことで、英語を話せるようになります。