「元気をもらうスポーツと音楽」 令和元年10月16日更新
私は、昔から「趣味は?」と聞かれたら「スポーツをすること」と書いたり、答えたりしていました。どのスポーツも決して上手だと言えるものはありませんが、若い時からスポーツは好きで、水泳、スキー、山登り、ランニング、野球、サッカー、バレーボール、卓球、テニス、バドミントンなど「下手な横好き」で楽しくやっていました。どれも長続きしたものはありませんが、野球は中・高・大と10年間続け、学園に奉職してからも、監督や部長として、その後28年間続けました。しかし、年齢を重ねてからは、もっぱら観戦することや応援することに専念するようになりましたので、その後は「趣味は?」と聞かれると「スポーツ観戦」と答えるようになりました。したがって、今はテレビなどでプロやアマの競技をはじめ、日本や世界のトップレベルのスポーツも一生懸命応援しています。
最近一番感動したのは何といってもラグビーのワールドカップです。先日、今まで10度対戦して一度も勝ったことのないアイルランドに勝ち、数日前の予選最終戦では1度しか勝ったことのないスコットランドを破り、グループ全勝で、初のワールドカップのベスト8入りを果たしました。ついテレビの前で声を出したり、拍手をしたりして応援してしまいました。きっと皆さんも同じように熱い応援をされたのではないでしょうか。とても元気をもらっています。まだその時の余韻が残っているような気がしていますが、来る決勝トーナメント(南アフリカ戦)も頑張って欲しいと思います。
しかし、スポーツ観戦は何といっても、実際の会場へ行っての観戦や応援が一番です。テレビなどと違って生の迫力があり、会場が一体となる応援には大きな感動が生まれます。私の場合、グランドや体育館へ足を運ぶのは、そのほとんどが生徒たちの試合の応援です。なかなか応援に行く時間が取れないのですが、今年の夏には、バレーボールのインターハイの応援に、宮崎の都城まで応援に行ってきました。本校の高校男子バレーボールは今夏、5年振り5回目の出場を果たしましたが、劇的な逆転で予選を勝ち抜き、決勝トーナメントでも1勝をあげ、全国ベスト16という結果でしたが、本当に心の底から応援をし、元気をもらって帰って来ました。
ところで、本校の高校野球部は創部70年以上たっているのに、まだ一度も甲子園出場は果たせていません。しかし、夏の大会では8年前に決勝に進出した時以来のベスト4進出でしたし、3年生が引退した秋の大会(新人戦)でも、中国大会出場はなりませんでしたが、夏に続いて県ベスト4まで勝ち進みました。他の強豪チームのように、専用グランドがあるわけでもなく、設備が整っているわけでもありません。とびぬけた選手がいるわけでもないし、練習時間が長いわけでもない中で、よく頑張ったと思います。しかしベスト4まで行くと、つい欲が出てきて、甲子園出場が頭にチラついたのは私だけではないと思います。暑いマスカットスタジアムのスタンドで大声を張り上げて一生懸命応援をさせてもらい、元気をもらいました。
私は現在、高体連では少林寺拳法の専門部長というお役をいただいている関係で、役柄上少林寺拳法の県大会や中国大会、全国大会など様々な大会にも参加させてもらう機会をいただいています。少林寺拳法は、柔道や剣道のように、武道として、心・技・体を一体として育むという、人間形成に重きをおいており、他のスポーツにはない素晴らしい魅力があります。毎年3月下旬に香川県で行われる選抜の全国大会では、開会式の直後、試合に先立って、代表選手による弁論が行われます。技だけではなく人としての大切な生き方や在り方をしっかり語る選手(拳士)たちにも、元気をもらっています。
高いレベルにある部だけではなく、一生懸命取り組んでいる生徒たちの頑張っている姿にも元気をもらえます。今週末には中学生の新人戦(備南西地区大会)が行われ、県大会出場を目指して取り組みますが、初心者に毛の生えたような中1や中2の選手たちが、それぞれの種目で頑張っている姿はとても新鮮で爽やかです。このようにスポーツはやる人はもちろんですが、周りの人にも勇気や感動を与えてくれるものになっていますが、様々なスポーツに元気をもらっている今日この頃であります。
一方、音楽にも大変な元気をもらっています。私は音楽をきらいなわけではありませんが、決して得意なわけではなく、むしろ苦手なほうかもしれません。若い時から親しんでいたわけでもありません。音楽を意識するようになったのは小学校の高学年になってからです。そのころ、金光町に少年合唱団を作ることになり、町内の3小学校からメンバーが集められました。あまり記憶は定かではありませんが、小学校の先生に勧められてか、確か試験も受けたように思いますが、見事合格して?私も金光少年合唱団の一員としてスタートしたのであります。しかし、ずっとピアノの音に合わせて「アー・オー・ドミソー」などの発声練習をひたすら繰り返すその練習が嫌で、友達は頑張っているのに、私は数か月でやめてしまいました。辛抱強く発声練習をしたり、楽器の練習をしたりするのが嫌だったのだろうと思います。あの時もう少し辛抱して頑張っていれば、私の人生も少しは変わっていたかもしれません。
したがってその後も音楽にはあまり縁がなく、せいぜいカラオケで演歌を歌うぐらいの事でした。ましてやコンサートとか演奏会とか言われるものには生まれてから何十年も行ったことはありませんでしたが、今から20年近く前頃から役目柄、本校の音楽部吹奏楽団の定期演奏会や音楽部コーラスのコンサートなどに毎年行かせてもらうようになり、音楽の素晴らしさに触れる機会が増え、その魅力を知ることができるようになりました。時には涙が溢れるほどの感動をもたらしてくれることもあります。
今年も、音楽部吹奏楽団やコーラスの演奏会はもちろんですが、他にも様々な歌や演奏を聴く機会に恵まれています。コンサートと呼ばれるものにも、度々行く機会を得ることができました。そのたびに音楽の持つ魅力や素晴らしさに感動し、心を洗われ、元気をいただいています。今はもっと早くに音楽に親しんでいれば良かったのにと反省させられています。今年は本校の音楽部が創部され100年という大きな節目の年を迎えています。年度末の3月29日(日)には「100周年記念コンサート」が倉敷芸文館で開催されることになっています。きっと素晴らしい演奏会になるだろうと今から楽しみにしています。
スポーツや音楽は本当に不思議な力をもっています。そのものの持つ魅力はもちろんですが、何よりスポーツや音楽での取り組みを通して、一生涯のかけがえのない友人ができたり、多くの方々と繋がりができたりすることも素晴らしい事だと思います。来年は東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。本当に楽しみです。これからもスポーツと音楽を楽しみ、親しみ、元気な心を育んでいきたいといと思わせていただいております。