いわき市の断水 清水市長「今月いっぱいまでに解消を」 通水拡大受け節水の呼びかけも
最終更新:10月16日午後10時41分
清水市長は16日夜、臨時の市長記者会見で、台風19号で夏井川に決壊が生じ、平浄水場が水没して市内広域で断水が起きている問題について、「水道局員が一丸となって復旧工事に当たっており、遅くとも今月いっぱいまでには断水区域の解消に努めたい」と述べ、10月中に通水を再開させる意向を示した。
市水道局によると、16日に部品の交換によって、浄水場への受電を始める予定だったが、不具合やさらなる部品交換の必要性が判明。一部に関しては仮設電源で試験を進めるが、通電には7日間程度かかるとみられる。ただ不測の事態があった場合、さらに伸びる可能性を示唆した。
なお平浄水場が復旧した後は、浄水場付近から順に平、四倉、久之浜・大久の各地区に、給水エリアが順次拡大していくため、もっとも北部の久之浜・大久地区は4日程度遅くなる。
他の浄水場を経由しての復旧も並行している。最大で約4万5400戸が断水したが、17日までに平中心市街地や明治団地、平成、平上荒川など、9500戸あまりに水が通せるとしている。ただ水量が十分ではないため、必ずしも通水する訳ではないという。市水道局では、一般市民に対して節水を呼びかけている。
17日の給水所は次の通り。
水道局 平二小 平市民運動場 四倉小 赤井公民館 平成第一公園 福島高専第2グラウンド 石森中央公園 平三小 平工業高 平六小 郷ケ丘小 草野小 藤間中 豊間公園 大浦公民館 大野一小 大久公民館 市久之浜・大久支所 関場公民館 平窪公民館 下平窪第二公園 菱川町公園 広野町役場(1人当たり20㍑上限、市民であることを伝えればよい) 広野町公民館(同) 21世紀の森公園メイン駐車場
時間は水道局、21世紀の森公園は24時間、その他は午前8時~午後6時。
次の公園では水飲み場を開放している。
小太郎町公園 菱川町公園 菅の作公園 大沢公園 古沼公園 三倉公園 桃木沢公園 南作公園 うすいそ公園 豊間公園 豊間はまなす公園 走熊公園 山口公園 上湯長谷公園 関船1号公園 新町前公園 金谷公園 内郷駅前公園 天上田公園 上好間公園
浸水被害が大きかった平・平窪地区に向け、市は早ければ18日にも、平四小に現地対策本部を設置し、職員を常駐させて対応する。
また夏井川の決壊に巻き込まれ、行方不明だった平幕ノ内の97歳の女性が、16日午後2時45分ごろ、自宅から1㌔あまり下流で見つかった。台風19号のいわき市の死者は8人に増え、行方不明者はゼロとなった。
写真は平浄水場の1階電気室。浸水した機械を通風乾燥させている(市水道局資料より)
■生活情報
市コールセンターは、電話(38)4329。市役所本庁舎1階・ふるさと再生課にも相談窓口あり。時間はいずれも午前8時半~5時。
ボランティアセンターへの作業依頼は、080(2806)9021、9022。希望者は新川沿いの市社会福祉協議会第2駐車場に。受け付けは午前9時~正午(早く終わる場合あり)。詳しくは市社協ホームページ https://www.iwaki-shakyo.com/ を参照すればよい。
罹災(りさい)申請は準備中のため、家屋の片付けなどをする際には、被害の様子を写真で撮っておくことが求められる。
停電等があれば、フリーダイヤル(0120)175366。
水害ごみのうち、畳や布団、家電製品などの大型ごみ(大きさ60㌢以上180㌢未満、重さ10㌔以上50㌔未満)は地区ごとに設けた臨時の集積所へ。袋にまとめたごみは分別した上で、普段の集積所にごみ収集カレンダーに関係なく出せる。床下などに堆積した土砂は土のう袋に入れ、普段の集積所まで。問い合わせは市ごみ減量推進課=電話(22)7529
くみ取り式のトイレで冠水した場合の回収等は、市環境整備事業協同組合=電話(27)8801。
16日から義援金の受け入れを始めた。金融機関はいずれも東邦銀行いわき営業部で、災害復旧および復興のための義援金は普通 2617639、被災された方々に対する生活支援のための義援金は普通 2617647。口座名はどちらも、いわき市災害対策本部。
市地域交流センター「三和ふれあい館」の入浴施設が無料・時間延長に。時間は午前10時~午後8時(通常は同5時まで)。シャンプー、ボディーソープ、タオルは持参すること。
<被保険証等の取り扱い>台風19号によって、国民健康保険、後期高齢者医療の被保険証等を紛失した場合や、自宅に置いて避難している場合、氏名、生年月日、連絡先、住所を申し立てることで受診できる。協会けんぽなども同様の取り扱いをしている。
<小・中学校の休校>▽17日から再開=好間二小、赤井中、小川中▽18日まで=平二、平三、平六、郷ケ丘、高久、夏井、赤井、四倉、大浦小、平一、平二、平三、草野、大野中▽19日まで=平五、草野、大野一、大野二、久之浜一、三和小、藤間、四倉中▽20日まで=久之浜中、三和中▽21日まで=平四小
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自然災害に備えて事前に対策を立てていても、時としてその予測を超えることがある。それが今回の台風19号だ▼中部、関東甲信越、東北などを暴風雨に巻き込んで北上を続けた台風19号は、各地に甚大な被害をもたらした。いわきでは12日昼ごろから雨、風が強くなり、夜半にピークを迎え、その後宮城県へと去っていった▼翌日は台風一過、太陽も久しぶりに顔をのぞかせたが、収穫目前のいわき耕土は、コメや野菜などの農作物に大きな被害が出た。各地で停電、断水が相次ぎ、河川の氾濫によって交通網が寸断された。浸水した家もあり、市民は後片付けに追われている。避難所も開設され、被害に遭われた市民は避難所で不自由な生活を強いられている▼自然災害はいつ起きるか分からない。それだけに災害予測、行政の対応力にも限界があり、地域や個人ができる限りの備えをし、防災、減災に努めたい。週末は雨の予報、くれぐれも二次災害にはご注意を。