【医師監修】餅はこう食べれば太らない!切り餅のカロリー、糖質もチェック!
正月になると食べたくなるお餅。美味しくてついたくさん食べてしまいたくなりますが、太ってしまわないか不安になりますよね。そこで今回は、減量外来ドクターの工藤 孝文(くどう たかふみ)先生に、気になるお餅のカロリーや糖質量について、餅を食べても太るのを防ぐ方法について教えてもらいました。
ダイエット中でもお餅が食べたい!
毎年お正月になると太ってしまうという方は多いはず。この時期に太ってしまうのは、いつもより食べすぎてしまうこと、さらにダラダラと過ごし運動不足になってしまうことが原因です。
食べ過ぎてしまうお正月の食べ物の代表といれば、「餅」ではないでしょうか。日本のお正月という感じで風情があっていいですよね。さまざまな味付きがあり、飽きることがなくついつい食べ過ぎてしまうものです。ただし餅は炭水化物なので、食べ過ぎれば当然太ってしまいます。
でも、工夫して食べればダイエット中でも食べて大丈夫ですよ。そこで今回は、餅の気になるカロリーや糖質量、太ってしまう原因などについてご紹介していきます。
餅のカロリーは?ご飯より低い?高い?
まず、気になる一般的な切り餅のカロリーは、130キロカロリー前後です。他の炭水化物とも比べてみましょう。
切り餅1個(54g)127キロカロリー
丸餅1個(34g)80キロカロリー
ご飯(お米)茶碗軽く1膳 (150g)252キロカロリー
うどん1杯(250g)307キロカロリー
そば1杯(170g)268キロカロリー
フランスパン2切れ(3㎝の厚み)140キロカロリー
ベーグル1個(95g)221キロカロリー
コンビニのツナマヨネーズのおにぎり1個 197キロカロリー
低カロリーとは言えないものの、意外にもお餅1個あたりのカロリーはその他の炭水化物と比較するとそう高くないと感じたのではないでしょうか。切り餅2個食べたとして約250キロカロリーで、ご飯1杯分と同等のカロリーになります。
ただし、これは餅単体で食べた場合のカロリーです。食べるときには味付けをすることになるので、その分カロリーが高くなるということはお忘れなく。実際には、具入りおにぎり1個分のカロリーと同等もしくはそれ以上のカロリーになります。
餅の糖質量は?糖質制限中は食べちゃダメ?
次に餅の糖質がどれくらいあるのか、餅の糖質量について他の炭水化物と比べてみましょう。
切り餅1個 24.8g
ご飯(お米)茶碗1杯(150g)55.1g
うどん1杯 (250g)58.5g
そば1杯 47.3g
フランスパン2切れ(50g)27.4g
ベーグル1個(95g)43.1g
コンビニのツナマヨネーズのおにぎり1個 30~35g
やはり炭水化物なので、それなりに糖質量があります。切り餅を2個食べたときの糖質は約50gで、ごはん茶碗1杯分とほぼ同じになります。ゆるい糖質制ダイエットでは、1日の糖質摂取量を70~130gに抑えるのが基本なので、餅を1個食べても、他の食事を調節すれば問題ない数字ではないでしょうか。
餅の栄養成分
普段お米として食べているのはうるち米ですが、餅はもち米を使用します。ふたつの米の違いはデンプンの成分。うるち米にはアミロースとアミロペクチンが含まれますが、もち米はアミロペクチンのみでできています。米や餅の主成分はデンプン、もち米の粘りが多いのはこの成分があるからです。
餅は他の炭水化物よりも食べごたえがある
みなさん経験があると思いますが、餅は他の炭水化物に比べると食べるのに時間がかかります。よく噛んで食べれば、満腹中枢を刺激しやすいです。腹持ちも良く、1個でもしっかりと満足感を得ることができます。
飲む様に餅を食べるのは辞めましょう。喉に詰まらせてしまう危険性もありますし、満腹中枢が刺激されず食べ過ぎてしまいますよ。
それでも餅はカロリーが高い!太るのが嫌なら食べ方を工夫しよう
餅が満腹になりやすいといっても低カロリー、低糖質なわけではなく血糖値が上昇しやすい食べ物に変わりはありません。ダイエット中に餅を食べたいならコツを押さえて食べるようにしましょう。ダイエット中でも餅を食べて太りにくい方法についてご提案します。
・「2個まで」など食べる量を決める
正月は特に家族の暴食に流されてつい3個4個と食べてしまいますが、食べる前に「私は2個」と決めて焼きます。周囲にもそれとなく知らせておくと良いでしょう。
・甘くない味付けを選ぶ
きな粉餅、あんこ餅などは甘くて美味しいですが、その分糖質もカロリーも高くなっています。餅自体のカロリーの倍以上になることも。ダイエットを意識して食べるなら、しょうゆと海苔、大根おろしとポン酢などシンプルな味付けを選びましょう。
・食事の最後に食べる
血糖値の上昇を抑えるために、餅を食べる前に他の食べ物をお腹に入れましょう。おすすめはサラダや味噌汁などから食物繊維を摂取すること。食物繊維には血糖値を緩やかに上昇させる作用があります。その後に肉や魚などを食べて、最後に餅を食べましょう。そうすることで、食べすぎも防ぐことができます。
・味噌汁に入れて栄養補給する
餅を食べるときに食物繊維を先に食べることで血糖値の上昇を緩やかにできるということをお伝えしましたが、お雑煮や味噌汁に入れて食べると効率的に栄養が摂れます。そのとき、餅は他の具材を食べたあと、最後に食べるようにしましょう。温かいものと一緒に食べることで体温を上げることもできます。寒い冬にぴったりですね。
カロリーが高い餅を食べても太るのを防ぐおすすめレシピ
餅は焼くだけで十分美味しく食べることができますが、少し手を加えることで太るのを防げます。おすすめのレシピをご紹介します。
・大根おろし餅
焼いた餅にすり下ろした大根を入れて、鰹節と万能ねぎを加えます。しょうゆを適量かけたら完成です。大根をすりおろすとたくさん食べることができますし、食物繊維を一緒に摂ることができます。また、大根の辛み成分には新陳代謝を促す働きがあるので、餅で太るのを防ぐのに期待できます。
・チーズ餅
お餅にチーズをのせて焼くと、とろりと濃厚な味わいが楽しめます。最後に醤油を少し垂らしてたべましょう。カロリーは高くなりますが、糖質は少ないのがチーズの魅力です。
・キムチ餅、納豆餅
シンプルに、焼いた餅にキムチや納豆を乗せるだけです。発酵食品は腸内環境を整える働きがあります。また大豆食品には血糖値の上昇を緩やかにする作用もあります。
・磯部餅
こちらも昔からある餅の食べ方ですが、海苔1枚に豊富な栄養が含まれていますよ。海苔の成分と日本人の腸内細菌の相性がとても良いことが最近判明していて、海苔はおすすめの食材です。
餅は炭水化物であり、カロリーも糖質も低くはありません。餅は何も考えずに食べたら太ってしまいますが、食べるのを我慢してストレスを溜めるより、工夫しながら食べてダイエットをしたほうが楽しいですよね!これを参考に、お正月は美味しくお餅を味わってみてはいかがでしょうか。
text:common編集部