黒木昭雄の「たった一人の捜査本部」

小原勝幸を容疑者とするこの事件は、言いようのない不正義な社会構造を見せつける事になった。遺作小説『神様でも間違う』完成。

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桶川ストーカー事件

あまりにもずさんな報告書
(p40)
こうしたおかしな動きに対する国民からの不満に対して、埼玉県警は、「身内の問題としてではなく、膿は出す」と詩織さんの遺族に話し、内部調査をおこなった。
しかし、公表された報告書の中身はあまりにもお粗末なものだった。
私は当然ながら警察書類になじみが深いが、今回の「報告書」を見た瞬間、これは県警本部が故意にわかりにくく作成したものだと気が付いた。「事件関係は粗雑、時系列もバラバラ」なのである。つまり、書類の不備を指摘されにくいように、あらかじめ意味不明に練りあげられたものだったのだ。
そこで、私は知り合いの新聞記者と協力して「報告書」の意味不明な点について質問状を県警本部に送付した。その結果、埼玉県警本部から返ってきた回答は、「(4月)6日の記者会見で2時間45分かけて説明した中ですべて答えている。プロジェクトチームはすでに解散しているので、返事する部署もない」というものだった。
「おいおい埼玉県警は解散したのか?」私は思わず絶句した。
報告書の報告書なら、返ってきた言い訳も支離滅裂である。「返事をする部署もない」とは、いったいどういうことなのだ。マスコミを通じて公にされた「報告書」が明らかにまがいものなのだから、遺族への謝罪説明の中身については、おして知るべしである。
結局、今回の事件の最高責任者である西村浩二埼玉県警本部長も、頭を下げるのが自分の仕事だと勘違いしているに過ぎない。いつものように頭を下げることによって、時が過ぎて事件が風化するのをひたすら待っているだけなのである。

次回は、京都小学生殺人事件
京都府警はなぜ、容疑者をその場で拘束しなかったのか(p42)

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