◇13日 ラグビーW杯1次リーグA組 日本28-21スコットランド(日産スタジアム)
タックルをかまし、ボールを抱えて相手を吹っ飛ばした。ナンバー8姫野がこの日も燃えた。
「ここを突破するために、4年間ハードワークをしてきた。優勝を目指してやっていきたい」
あと3勝、最高のフィナーレを―。次世代のリーダーが誓いを立てた。サモア戦後の練習中。3戦連続フル出場した疲労をジョセフHCから問われたが、次戦への意志は明確だった。
「体に痛みがちょっとあったけど、問題ないと伝えた」。前線で戦う体は、百獣の王ライオンのようなマインドに支えられている。ニュージーランド(NZ)遠征を控えた3月の合宿。メンタルコーチの講話に心を止めた。印象に残った言葉の一つが「臆病に生きるぐらいなら、挑み続けて死にたい」。厳しい場面で、どう振る舞うかを考えるきっかけとなった。サモア戦では鋭い寄せから相手ボールを強奪。ピンチをチャンスに変えたプレーは『姫野ジャッカル』と話題をさらった。
前回大会のスコットランド戦での痛恨の敗戦を、帝京大3年だった当時は大学の寮でテレビ観戦。「(劇的勝利の南アフリカ戦から)中3日の日程でスコアは開いたが、当時の日本代表から勇気や感動をもらった」。その後、トヨタ自動車で1年目から主将を務め、代表でも不可欠の地位に。「ここ3年間、レベルの高い試合の中で自信を積み重ねてきた」。たとえタフな状況になろうとも、姫野は勇敢な戦士として体を張り続ける。