日本ラグビーの歴史上、最高の瞬間。ラガーマンとして同じ空気を味わえて、本当にうれしかった。勝った瞬間、涙が出た。日本代表の選手たちが、感謝の気持ちを持ってグラウンドにあいさつする姿を見て、また自然と涙が出てきた。
序盤は劣勢だった。それでもボールをキープし、スピーディーにボールを動かすことで外側にチャンスが生まれた。そのチャンスを逃さず、モノにした。前半17分に松島、同39分に福岡がトライを決めた。日本の誇る両ウイングが圧巻の動きを見せ、14点リードで折り返した。
それでも簡単に勝てる相手ではない。後半、ワントライ差まで追い込まれた。そこから25分間も耐えた。7万人近くの大歓声が後押しして、最後の最後は、選手の絆の力で耐え抜いた。強いチームの絆を感じた。
日本代表ジャージーの桜のエンブレムは、昔はすべて満開ではなく、つぼみがあったと聞く。そこには、発祥の地に勝負が挑めるようになって初めて満開になる、という夢が込められた。まさに、この日、正真正銘の満開になった。日本代表を誇りに思う。日本でラグビーに携わってこられた全ての方々におめでとうと言いたい。
ラグビーってやっぱりいいな。感動が大きいし、その感動を得るために、ひとりひとりが必死になって努力する。苦しくて、つらくて、大変なこともいっぱいあるけど、それを乗り越えると、とてつもない感動がある。さぁ、ベスト8。夢の先は何を見せてくれるのか、期待したい。(元日本代表)