明らかになった日本企業のデジタル活用の現状と課題
アドビ システムズ株式会社
香港(CNN) ベトナム最大の映画館チェーン「CGVシネマズ」は15日までに、劇中の南シナ海の地図に中国の主張する領有権が描かれていることを理由に、アニメ映画「アボミナブル」の上映を中止した。
映画は伝説の雪男「イエティ」をヒマラヤ山脈に返すため、中国人少女が国内を横断する旅に出るという内容。米ドリームワークス・アニメーションと中国パール・スタジオが共同で制作を手掛けた。
映画の冒頭近く、主人公の少女イーは屋根にある隠れ場所に行き、中国の地図を広げる。地図上には中国南岸を起点に南シナ海のほぼ全域を取り囲むU字形の破線が描かれているのがはっきり見える。
この破線は「九段線」と呼ばれ、南シナ海に対する中国の権益主張を示したもの。中国政府の公式政策の一部で、中国国内で販売される全ての地図に描かれている。
一方で、ベトナムを含む同地域の少なくとも4カ国からは、国際法上の自国の領域に重なるとして九段線に異議を唱えている。
「アボミナブル」は今月4日にベトナムで公開されたが、国営メディアではその直後、観客から苦情が寄せられているとの報道が出ていた。
CGVシネマズは声明で、問題の地図の描写については今月13日に初めて把握したと説明し、直ちに全ての上映と広告を中止した。さらに公開時に不注意があったとして、ベトナムの観客に謝罪するとともに、規制当局の指示を順守する方針を示した。
オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は2016年、南シナ海に対する中国の広範な権益主張を認めない方針を示し、九段線についても法的な根拠がないとの判断を示していた。