幾重にも悔しさが残る2位だった。2位に13秒差をつけ、トップでアンカーへ。しかし、目前に迫っていた6年ぶりの優勝をつかむことはできなかった。駒大の大八木弘明監督(61)は二言目には「悔しい」と何度も繰り返した。
理想的な展開でレースを進めていたはずだった。1区を2位と上々の滑り出しで2区もキープ。3区では「ハートが強い。どんな状況でも走れるエース」と評する1年生の田沢が各大学のエースが居並ぶ中でトップを奪い、4、5区とつないだ。「5区までは予定通り」と順調にレースを運んだが、あと700メートルでこぼれ落ち、「勝っていたのに悔しい。アンカーの中村大聖で行けると思ったが、プレッシャーに弱いのか…」と嘆いた。
さらに悔しさを倍増させたのが、敗れた相手がかつての教え子、前田監督が指揮を執る国学院大だったことだ。「教え子には負けないと思っていたが、最後に負けたのは悔しい」とまた唇をかむ。3大駅伝で3位以内に入るのは2015年以来だったが、平成の常勝軍団に喜びも感慨もない。令和でも勝利を求め続ける。 (川村庸介)