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【台風19号】箱根登山鉄道、復旧めど立たず 被害甚大

社会 神奈川新聞  2019年10月15日 21:40

崩落した大量の石などで埋まった大平台-宮ノ下間の線路=13日、箱根町(箱根登山鉄道提供)
崩落した大量の石などで埋まった大平台-宮ノ下間の線路=13日、箱根町(箱根登山鉄道提供)

 台風19号の影響で運休が続く箱根登山鉄道の被害は、土砂崩れによる橋脚流出など十数カ所に上ることが15日、分かった。宮ノ下-小涌谷間では約25メートルにわたり線路が押し流され、別区間でも電柱倒壊や落石が線路を埋めるなどの被害が多発。70年以上前のアイオン台風に匹敵するレベルの深刻な状況で、同社は「復旧には相当な長期間を要する」としている。

 同社(小田原市)によると、宮ノ下-小涌谷間の被害は13日午前、巡視中の職員が確認。大平台-宮ノ下間の大平台トンネル近くでは、崩落した大量の石が線路を埋めるなどした。ほかにも電柱倒壊や道床流出などが相次いだ。現在は被害状況の把握と復旧工事の手法を検討している段階で、再開の見通しは全く立っていないという。

 今回の台風で、箱根では1千ミリを超す観測史上最多の降水量を記録。同鉄道は台風接近前の12日昼ごろに箱根湯本-強羅間(8・9キロ)の全区間で運転を見合わせており、乗客や車両の被害はなかった。

 1948(昭和23)年9月のアイオン台風では、県西部で豪雨による洪水が発生し、箱根登山鉄道も橋脚が流されるなどして復旧に1年近くかかったという。

 11月の紅葉シーズンを前に、同社は「この時期の運休は残念だが、安全を最優先に対応していく」と話している。


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