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岐阜

長良川鵜飼、今季も天候に泣く 乗船10万人割れ

今季最後の伝統美を披露する鵜匠=岐阜市の長良川で

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 二年連続の悪天候が打撃となった。十五日に閉幕した岐阜市の長良川鵜飼の乗船客数は過去最少だった昨年よりは持ち直したが、十万人の大台は割り込んだままで終わった。関係者は「来年こそ」と期待する。

 市鵜飼観覧船事務所によると、今季の鵜飼観覧の中止日数は十日間。例年と比べて際だって多いわけではないが、書き入れ時となる週末の中止が多かった。八月十五~十八日は台風10号により約三千人、今月十二日は台風19号で約千人が乗船できなかった。

 台風10号では長良川が増水し、観覧船係留所と本流とを仕切る堤防が決壊。観覧船全四十五隻のうち四隻が下流に流された。このうち二隻は廃船となり、一隻は修理が終わっていない。市は堤防が決壊しても被害を最小限に抑えられる係留方法などを検討している。

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 また、観覧船事務所の職員一人が二月以降、詐欺や収賄の容疑で繰り返し逮捕、起訴され、九月に岐阜地裁で有罪判決を受ける不祥事も重なった。

 市が起死回生の期待をかけるのが、来年一月から放映されるNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」だ。美濃ゆかりの戦国武将、明智光秀が主人公とあって、観光客の増加が見込まれる。

 観覧船事務所の林素生(もとお)所長は「自然相手の難しさをあらためて感じている。来年に向け、少しでも多くのお客さまに夏の風物詩を楽しんでいただけるよう、運航の安全性、安定性を高める方法を考えていきたい」と話した。

 (杉浦正至)

◆小瀬も目標の8000人に届かず

 関市の小瀬鵜飼の今季の乗船客は七千一人。昨季より千二十八人(17・2%)増えたが、目標の八千人には届かなかった。

 天候を理由にした運航休止が二十七日に上った。記録のある二〇〇七年以降で最多の三十九日を休んだ昨季よりは営業日は増えたが、書き入れ時の八月、土日を中心に十日間を休んだのが痛手となった。

 今季は、PR活動に加え、待合室のトイレ改修、観光バスも駐車可能な駐車場やWi-Fi環境の整備、観覧船を停泊する対岸でのトイレカーの設置など、環境整備に力を入れた。

 天候に恵まれた九月は、例年より多い二千人近い乗船客があり、明るい兆しも見えた。観覧船を運営する関遊船の永田千春事務長は「これからも乗客が快適に過ごせる工夫を続けていく」と話した。

 (鈴木太郎)

 

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